目前で逃した3ポイント
共に開幕節は勝利を挙げることができなかったチーム同士の第2節。突破のためには白星でポイントを積む必要がある一戦だ。
立ち上がりから明確にボールを持つ姿勢を見せていたのはPSV。横パスで少しずつポゼッションの時間を作りつつ、セビージャの前線のプレスを横にずらしながら前進を試みる。
縦にボールを入れるパスをアクセント的に使っていくのも見事。IHのティルマンなどがライン間でボールを受けて素早くサイドに展開できれば、PAへのクロスまではあと一歩。あるいはクロス待ちのフリをしていたルーク・デ・ヨングが中盤からの縦パスを引き出す形で決定機を作ることも。外への展開をフリにインサイドに刺していく形を作ることができていたPSV。パスワークからセビージャの守備を揺さぶっていた。
対するセビージャは保持でも苦戦が目立つ。同サイドに圧縮していくPSVのプレッシングになかなか解決策を見つけることができず。簡単に蹴りだしては相手ボールをとして回収される場面が目立ってしまい、なかなか攻めのポイントを作ることができない。
こういった保持での不振はやはりPSVのポゼッションを咎めることができない非保持の流れから続いていく感じ。守備からリズムをつかめない分、セビージャの方が消化不良の前半を過ごす。
しかしながら、後半はセビージャが先に仕掛ける。裏へのパスからラマーリョの対応ミスを引き出したセビージャ。ネットを揺らすことができたが、これはノーゴール判定。先行の機会を逃してしまうことに。
このセビージャの決定機から試合は裏取り合戦の様相が始まることに。前半とは打って変わって中盤から一発で裏へのパスが出るなど、非常にオープンな展開から両チームともシュート数を積み重ねていく展開になだれこんでいく。
先制したのはセビージャ。セットプレーからファーで待ち受けていたセルヒオ・ラモスが折り返し、最後はグデリ。空中戦の強さを生かし、セビージャが乱戦気味の後半を先行する。
馬力にやや押され気味だったPSVの反撃は80分を過ぎてから。ティルマンの強引なドリブル突破がPK獲得を呼び込むことに成功。これをルーク・デ・ヨングが仕留めて同点に。
だが、セビージャは即座に反撃。次のワンプレーで右サイドからのクロスをエン・ネシリが叩き込んで1分後に勝ち越しに成功。PSVは再びビハインドを背負うことになる。
このまま終わるかと思われた試合だが、後半追加タイムにPSVがセットプレーから同点。GKも攻めあがる賭けに出たプレーでネットを揺らしたのはティーゼ。26本ものシュートを放ったPSVは土壇場でポイントゲット。セビージャは目前で3ポイントを逃すダメージの大きい一戦となってしまった。
ひとこと
勝ち点を取れたこと自体はよかったが、PSVとしては前半でリードが欲しい内容だったなと思った。
試合結果
2023.10.3
UEFAチャンピオンズリーグ
Group B 第2節
PSVアイントホーフェン 2-2 セビージャ
PSVスタディオン
【得点者】
PSV:86′(PK) デ・ヨング, 90+5′ ティーゼ
SEV:68‘ グデリ, 87′ エン=ネシリ
主審:ダニエレ・オルサト