劇的な逆転勝利を見せたブラガ
ウニオン・ベルリンは非常にプランがはっきりしている序盤戦だった。撤退守備を起点にロングカウンターに注力。ロングカウンターは息をつくことなく直線的に相手のゴールに陥れることを意識していた。開始早々のオフサイドとなったシーンはラインに張っていた4人全員が裏を取るなど、非常にプランを忠実に遂行したいスタンスが顕著に表れていた。
ブラガはボール保持の時間が長くなる。特にSBは自在にボールを持てる構造。ウニオン・ベルリンはIHのスライドで対応していくが、間に合わない場合はWBが出ていく。ブラガはインサイドへの差し込みを大事にしていたが、徐々に横のドリブルから裏を取る動きを織り交ぜるなど、少しずつ変化をつけていく。
ウニオン・ベルリンも保持に出れば反撃。3バックで相手のSHを引きつけるとユラノビッチは背後をとり、フリーで持ち上がることができるようになる。右の大外を軸としたカウンターは非常にコンスタントにチャンスを作っており、30分の先制点は「ようやく」実った感覚だった。ベッカーはロングカウンターを仕留めてようやく先制する。
さらには見事なカウンターから追加点を奪うウニオン・ベルリン。ベーレンスの右サイドへの抜け出しを囮としてインサイドに進路をとったベッカーが2点目をゲット。今までの右サイド偏重のカウンターをフリにした見事な攻撃だった。
前半のうちにセットプレーから反撃したブラガ。ブロックの外から二次攻撃をニアカテが押し込む。ブラガは1点差に縮めてハーフタイムを迎える。
後半もポゼッションのブラガ、ロングカウンターのウニオン・ベルリンの構図はくっきりと。ウニオン・ベルリンは左サイドのカウンターを見せるなど、前半とは変化をつけながらカウンターを進めていく。
しかし、スコアを動かしたのはブラガ。セットプレーからの跳ね返りを豪快なバナナミドルで打ち抜き、試合を完全に振り出しに戻す。
終盤はウニオン・ベルリンは相手のPA前で時折止まって攻めるようになるなど、終盤は徐々に両チームのスタイルの違いは薄まっていくようになった。ちなみにウニオン・ベルリンは普通にボールを持ってもそれなりにやれそうな空気はあった。オフザボールの動きの多さは大正義である。
だが、試合を決めたのはブラガ。大仕事をしたのは途中交代のアンドレ・カストロ。間を外すようなグラウンダーのミドルでファーサイドを撃ち抜いてゴール。劇的な逆転勝利でブラガが初勝利を決めた。
ひとこと
よく2点差をひっくり返した時に見られる勢いに乗っての逆転勝利ではなく、ジリジリと背中を追っていってつかむような不思議な逆転劇だった。
試合結果
2023.10.3
UEFAチャンピオンズリーグ
Group C 第2節
ウニオン・ベルリン 2-3 ブラガ
オリンピア・シュタディオン
【得点者】
UNI:30‘ 37’ ベッカー
BRA:41‘ ニアカテ, 51’ ブルマ, 90+4‘ カストロ
主審:スルジャン・ヨヴァノヴィッチ