均衡した試合をポゼッションで平定し、最後はバルベルデ
第2節屈指の好カードはグループCから。イタリア王者のナポリがホームにCLの盟主であるレアル・マドリーを迎え撃つ一戦である。
マドリーのプレッシングはやや前後分断気味。ロドリゴ、ヴィニシウスの2人に3人目のベリンガムが気まぐれに加わる。同サイドに圧縮したい意思はあるようだったが、それよりも無駄に人数をかけないことを大事にしているように。ベリンガムもトップ下の位置を守らずにディ・ロレンツォのケアを中心に左サイドに入り、4-4-2フラットのような陣形になることもしばしばあった。
立ち上がりのナポリはバックラインからの大きなキックで右サイドに流れるオシムヘンを狙っていく。しかしながら、ここはナチョがカット。一発での前進を許さない。
なかなかスムーズに攻めきれないナポリだが、セットプレーから先制点をゲット。空中戦で終始やや優位だったナポリ。ナタンが合わせたボールがポストに跳ね返ると、エスティゴーアが押し込んでゴール。セットプレーから試合を動かす。
しかしながら、マドリーは8分後に追いつく。あまり手応えがなさそうなプレッシングだが、出足の鋭さを見せたベリンガムがディ・ロレンツォのボールをカットし、ショートカウンターをヴィニシウスが仕留めて試合を振り出しに戻す。
マドリーのボール保持はひたすらに中盤を引き出すアクションを繰り返す流れだった。クロースの左落ち、ベリンガムが中盤に下がったりなど、下がる動きでナポリの中盤を引き出し、DF-MF間のスペースを作り出す。ライン間で前さえ向ければヴィニシウスとベリンガムはやりたい放題ができることはナポリのファンは身をもって体感しただろう。ライン間でボールを持ったベリンガムはあっという間にナポリの守備陣を切り裂き、マドリーに勝ち越しゴールをもたらす。
ナポリがビハインドで迎えた後半、マドリーはブロックを少し下げながらナポリの攻撃を迎え撃つ。ナポリは左のWGのクワラツヘリアからブロックの外側からひたすら殴る作業を繰り返していく。
押し込む流れからナポリはPKを獲得。オシムヘンがナチョに倒されたところでOFRが入り、ナポリにPKが与えられることに。これをジエリンスキが決めて再び同点になる。
ここからは両チームともスピード豊かなアタッカーが斬り合いを展開。前に出てきたマドリーに対して、クワラツヘリアはさらに刺さりやすい展開になっていたし、マドリー側も高い位置に出て行った分、カウンターからゴールに迫る機会が徐々に出てくる。
時間が深まるにつれて試合は段々とマドリーのポゼッションに収束。押し込む時間が増えるようになる。ナポリはボックス内を固めながらクロスを跳ね返し続けるが、そうしたブロックを一発で破壊するバルベルデのミドルが炸裂。記録上はメレトのオウンゴールだが、彼にできることなど一つもなかっただろう。マドリーは大きなゴールを手にした形となった。
終盤まで攻め立てたナポリだったが、マドリーのエリア内の守備をこじ開けることができず。まさにCLの盟主というべき勝負強さを発揮したマドリーが敵地で貴重な3ポイントを手にした。
ひとこと
両チームとも非常に高いテクニックに裏打ちされたブロック守備の攻略を見せており、単純にいい試合だなと思った。ベリンガムはすごいなぁ。
試合結果
2023.10.3
UEFAチャンピオンズリーグ
Group C 第2節
ナポリ 2-3 レアル・マドリー
スタディオ・サン・パオロ
【得点者】
NAP:19‘ エスティゴーア,54′(PK) ジエリンスキ, 78′ メレト(OG)
RMA:27’ ヴィニシウス, 34‘ ベリンガム
主審:クレマン・トゥルパン