常に先手で試合を進めたフェイエノールト
立ち上がりからボールを持っていたのはフェイエノールト。ベシーノが前にシフトする4-4-2型で挑んでくるラツィオに対して、パスワークからアンカーを解放することで一気に前進。アンカーの管理が怪しいラツィオの隙をついてビルドアップからの組み立てに成功する。
前半はフェイエノールトがボールを持ち続ける流れとなった。ライン間に縦にパスを差し込み、そこから前を向くもしくはサイドへ展開することで前進を図っていく。ライン間を繋ぐ形からヒメネスがネットを揺らしたシーンはオフサイドでゴールが認められなかったが、直後の31分にフェイエノールトはリベンジを達成。縦パスを受けたヒメネスが自ら反転することでゴールまでの道を切り拓いてみせた。
失点以降、ボール保持の機会を増やすラツィオ。ポゼッションはそこまで危険なニオイはしなかったが、相手の急所に入り込めているかと言われるとそのあたりは正直怪しい。サイドから深さを取れればあるいはという感じはするが、なかなかゴールチャンスまで漕ぎ着けることができない。
むしろ、サイドから決定的な仕事を果たしたのはフェイエノールト。右サイドを抉り取るところから深さを作ると、ミドルシュートを仕留めたのはゼルキ。フェイエノールトが前半のうちにリードを広げてハーフタイムを迎える。
後半、ラツィオが保持でもプレスでも支配的に勝負に出る。フェイエノールトが前プレよりも臨機応変に広報を増やすような意識を持っていたことで、ラツィオのバックラインは前半以上に安定してボールを持つことができた。
しかしながら、インサイドにクリティカルな侵入ができたかと言われると別問題。ややブロックの外側からミドルで襲撃を仕掛けていく形の方がチャンスができそうな感じだった。
フェイエノールトはプレスにくるラツィオを剥がすところから前進。アンカーのゼルキを解放するところから一気に擬似カウンターの形でゴールに迫っていく。フェイエノールトにとって決定的だった3点目はヒメネスによってもたらされた。
終盤はロペスの軽率なPK献上で2点差に迫り、圧力をかけてゴールの匂いを作ることができたラツィオ。このフェーズを1点差で迎えていれば勝ち点獲得は現実味を帯びていただろう。そういう意味ではそれまでの80分の振る舞いが悔やまれる展開となった。
ひとこと
フェイエノールトのアンカー、いいですね。
試合結果
2023.10.25
UEFAチャンピオンズリーグ
Group E 第3節
フェイエノールト 3-1 ラツィオ
デ・カイプ
【得点者】
FEY:31‘ 74‘ ヒメネス, 45+2’ ゼルキ
LAZ:83‘(PK) ペドロ
主審:トビアス・スチュイラー