サイド攻撃に耐えきりドルトムントが難所攻略
混戦を極めるグループF。死のグループといわれるこの組を先頭で牽引するのはポット4のニューカッスル。前節はパリ・サンジェルマンを4-0という衝撃的なスコアで葬ったセント・ジェームズ・パークでドルトムントを迎え撃つ。
どちらのチームも自陣から組み立てもそこそこに前線への放り込みが目立つ立ち上がり。ドルトムントはCFのフュルクルクを軸に2列目の選手をその周辺に集結させつつボールを回収する形で前進を狙っていく。ニューカッスルは時折ＷＧが外切りのプレスを発動。インサイドで網を張っていたため、ドルトムントとしては素直に中盤を入れるのは少しはばかられる展開だった。
ニューカッスルも早めに前線に当てるスタンスではあるが、トップは裏のスペースを狙った深さを作るランを志向する。さらにはSBも大外のレーンから縦に抜けるなどバリエーションをつけながら敵陣に侵入していく。非保持においても高いラインでドルトムントのロングボールを咎めながら積極的に押し込んでいく。
しかしながらドルトムントも徐々に中盤でボールを奪いながらカウンターで対抗。特に積極的なオーバーラップを見せるニューカッスルの左右のSBの背後を取りながらスピード豊かなアタッカーを軸に一気にゴールを陥れにかかる。
守備から攻撃につながる形を作る両チームの試合は前半終了間際に動く。ワンチャンスを生かしたのはドルトムント。左サイドから深さをつくったカウンターを完結させたのはヌメチャ。前半終了間際にドルトムントがリードを奪うことに成功する。
後半の頭は4-3-3のブロック守備を崩しあうスタート。だが、どちらのチームもファストブレイクの方が感触良好。ブロック崩しは次にカウンターを仕掛けるための前座となっている感があった。
そうなると、やはりボールを持つのはビハインドを背負っているチームが自然になる。SHが自陣側にブロック守備に参加し、深い位置で構えるドルトムントはカウンターで2点目を狙う。ドルトムントのスピードがあるアタッカー陣に何とか食らいついていくニューカッスルのCB陣のパフォーマンスはなかなかに見ごたえのあるものだった。
崩すことを押し付けられたニューカッスルはシンプルに外を使いながらユニットでの崩しを模索。特に大外からトリッピアーのクロスという手段がある右サイドの方が相対的には有望だった。
保持からの工夫で徐々に敵陣に迫っていくニューカッスル。増えていくセットプレーからチャンスを作っており、得点の瞬間は徐々に近づいているように思えた。
しかしながら、粘り切ったドルトムント。パリが屈したアウェイの地で1点を守り切る大きな勝利を手にした。
ひとこと
カウンターの切れ味勝負で分があったドルトムントに軍配という90分だった。
試合結果
2023.10.25
UEFAチャンピオンズリーグ
Group F 第3節
ニューカッスル 0-1 ドルトムント
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
BVB:45′ ヌメチャ
主審:アルトゥール・ディアス
