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「Catch up UEFA Champions League」~2023.11.7 UEFAチャンピオンズリーグ グループF 第4節 ミラン×パリ・サンジェルマン~

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ルートの数ではなく精度勝負

 以前混戦模様となっているグループF。ポット1のパリ・サンジェルマンからすれば、ミラン相手に連勝を決めてなんとか混戦から抜け出したいところである。

 前回の対戦ではIHを同サイドにスライドさせることでポジションを偏在化させていたが、今節のパリはそうした工夫はなし。スタンダードに近い4-3-3のポジションでボールを動かしていく。ミランはアンカーのウガルテをジルーとロフタス=チークで挟みながら封殺。インサイドを封じて外にボールを誘導していく。

 ということでこの試合のテーマはWGの切れ味が相手のブロック守備を前にどれだけ通用するかであった。WGへの対角パスからパリはチャンスメイク。右に流れるデンベレを軸に1on1でゴールに迫っていく。同サイドではオーバーラップするハキミを活用しつつ、カットインからシュートやラストパスを狙っていく。

 対するミランはレオンで勝負。上がるハキミの背後を取るように裏をとるジルーがサポートに入りながら、レオンにカットインでシュートに持ち込むためのコースをあけていく。

 先制したのはパリ。セットプレーというドリブラー対決とは違う文脈のところではあるが、逆サイドのムバッペも含めてアタッカーの精度が高かったのはパリの方だったので、強いて言えば押し込む頻度の差が出たということだろう。

 右のデンベレを軸にパリは勢いに乗る。ムバッペはオフザボールに専念していたし、IHのザイール・エメリが左に流れることで、ハキミのオーバーラップを誘発。デンベレを軸とした最適化を図っていく。

 逆にミランはレオン一辺倒。それでもゴールを奪い切るスキルはさすが。ルートは単調でも精度が高かったことや、ハキミが積極的にオーバーラップをすることでより彼の裏を取りやすくなったことでミランは左サイドからのカウンターを機能させる。

 ドリブラーの躍動でタイスコアのまま迎えた後半、ミランは前線に飛び出すラインダースのプレーで開幕する。このプレーで勢いに乗ったか、ミランはそのまま先制。左サイドからのクロスをシュクリニアルの上からジルーが叩き込んで勝ち越し。ミランは逆転でリードを奪い返す。

 リードを奪ったミランはラインを下げつつ、時にはサイドを下げて後方に重たいフォーメーションを敷く。それでもロングカウンターの芽が生きていたのは、ミランの底力という感じだろう。

 パリはガンインの投入や前線の入れ替えなど、テコ入れが入るが押し込んだ状況を作る以上のところには持っていくことができず。ミランはホームでリベンジ達成。パリがミランを引き摺り込みグループFは再び混戦ムードに突入することとなった。

ひとこと

 ミランの方が単調ではあったが、精度の勝利。あとはジルーが偉大。

試合結果

2023.11.7
UEFAチャンピオンズリーグ
Group E 第4節
ミラン 2-1 パリ・サンジェルマン
スタディオ・サン・シーロ
【得点者】
MIL:12‘ レオン, 50‘ ジルー
PSG:9‘ シュクリニアル
主審:ヘスス・ヒル・マンサーノ

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