苦戦も追加タイムのベテランの一撃で振り切る
ここまで1ポイントも確保することができていないアントワープ。アウェイでの戦いは厳しいものになるだろうが、なんとか勝ち点を奪ってグループHに風穴を開けていきたいところである。
アントワープの守備は2トップがCHをケアする形で監視するが、この2トップが前にスライドすると後方も連動するようにプレスのスイッチが入り、ポルトのバックラインを深い位置まで追い回していく。構える時は4-4-2を維持するというよりは5-3-2のような形になるような変化が見られた。
ポルトのビルドアップは後方からのミドルパスで一気に前進を仕掛けるもの。アントワープのプレスを牽制するものという見方もできなくはないが、基本的にはポルトガル勢はマイペースなので自分達がこうしたいからが先に来ているような気もする。
アントワープのビルドアップはトップ下のエケレカンプが少し落ちる形での3CH化で勝負。ポルトのプレスを引き込むようにCBが広がるバックラインを活用しながらビルドアップを行う。GKのラマースは積極的に保持に絡んでくるのだが、ミスが多く怖さが先行した印象だった。
アントワープも中盤で跳ね返してのカウンターが目立ったが、この形から先行したのはポルト。ポジトラの機会を生かし、エウスタキオがボックス内に突撃してPKを奪取。このPKをエヴァニウソンが仕留めて先行する。
後半は互いにサイドを裏抜けする形からのスタート。マリオやケルキなどがスピードを生かしながら相手のラインを下げていく。
試合の命運を分けたプレーは後半開始直後。エケレカンプの一発退場である。これにより4-4-1で勝負せざるを得なくなったアントワープとポルトに機会の差が生じるようになる。
敵陣でのプレーが増えるポルトはラインブレイクからフィニッシュまでのルートが直結しており、流れるような攻撃を見せる。対するアントワープはイレニーエナの一発裏抜けなどロングカウンターから活路。苦しい戦いであることは間違いないが十分にチャンスはあった。アントワープとしてはカルモにも一発退場で宣告されるべきと感じたことだろう。
70分がすぎるとアントワープのカウンターの威力が低下。ポルトはコンセイソンが右サイドから最後の一押しをかけていく。
決着がついたのは後半追加タイム。ぺぺのヘディングでようやくポルトがゴールをこじ開ける。かなり手を焼いたが、ベテランの一撃でポルトは連勝。バルセロナと勝ち点で並ぶことに成功した。
ひとこと
アントワープは10人でも11人でも思ったより粘れていた。いい内容だったと思う。
試合結果
2023.11.7
UEFAチャンピオンズリーグ
Group G 第4節
ポルト 2-0 アントワープ
エスタディオ・ドラゴン
【得点者】
FCP:32‘(PK) エヴァニウソン, 90+1‘ ぺぺ
主審:マウリシオ・マリアーニ