サイド攻撃の真っ向勝負の分かれ目になったのは
試合はミランのボール保持からスタート。CBにはボールをもたせてOKというドルトムントのスタンスにより、ミランがまずはボール保持から解決策を図るスタートとなる。
しかし、試合は立ち上がりから意外な形で動くこととなる。きっかけはミランの攻撃終わりに攻め上がったリエルソン。カウンターからマイナス方向に痛恨のパスミスを犯すと、この流れから放たれたチュクウェゼのシュートがハンドを誘発。PKを獲得する。
しかしながら、このPKをジルーが失敗。ミランは先制のチャンスを逃すこととなった。
すると、今度はドルムントがPK奪取。バイノー=ギッテンスに対してカラブリアのコンタクトがファウルと判定されてしまう。これをロイスが仕留めてドルトムントが前に出る。
ミランもまたCBにはプレスを仕掛ける気はなさそうでフンメルスからのフィードが刺さる展開になっていた。先のPKのように大外でWGが生きる流れもフンメルスがフリーになっていることと無関係ではない。中央にはフュルクルクというターゲットもおり、長いボールの預けどころは中央にもあった。
試合はドルトムントペースになるかと思いきや、ミランはあっさりと同点ゴールをゲット。右のチュクウェゼが2枚を剥がしてシュートを仕留めて試合を振り出しに戻す。
同点ゴールから流れを掴んだのはミラン。プレスも積極的になってきており、ドルトムントのバックラインはプレッシャーにさらされることとなる。WGを外せばスピードをアップできるドルトムントにも十分にビルドアップからチャンスは残されている状況だった。
前半の終盤はミランがカラブリアのクロスから決定機を迎えて終了。このゴールは枠を捉えることができず、試合はタイスコアで折り返すこととなった。
後半もミランは左右にスウィングしながら1on1を作っていく。狙い目になっていくのは引き続き右のチュクウェゼである。
しかしながら、ここでミランにアクシデント。相手の裏抜けに対応したところでティアウが負傷。これにより本職中盤のクルニッチが最終ラインに入る。
こうなるとミランにとっては明確に不利なミスマッチができてしまうことに。フュルクルクに対しては流石にクルニッチでは止めるのが難しい。右サイドからボールを持ち上がったドルトムントはフュルクルクのポストから逆サイドのバイノー=ギッテンスがゴールを決める。
追加点もフュルクルクのキープが絡んできたところから。時間をもらったドルトムントの2列目が躍動し、最後はアデイェミが3点目を決める。
ミランの保持ではチュクウェゼの孤軍奮闘が続く。頼りになるのはわかるが、2枚も3枚も引き寄せているのだから、シンプルに周りがヘルプに行くシーンがあっても良かったように思える。
そういう意味では割り切って総攻撃に出た終盤のミランの方がサイドに枚数をかけており怖さがあった。カウンターのドルトムントも含めて両チームにチャンスがあった終盤戦だったが、どちらにもこれ以上の得点は入らず。試合はドルトムントの勝利でグループF一番乗りでのノックアウトラウンド進出を決めた。
ひとこと
サイド攻略の力勝負はCFのミスマッチが大きな勝負を分けるポイントとなった。
試合結果
2023.11.28
UEFAチャンピオンズリーグ
Group F 第5節
ミラン 1-3 ドルトムント
スタディオ・サン・シーロ
【得点者】
MIL:37‘ チュクウェゼ
BVB:10‘(PK) ロイス, 59‘ バイノー=ギッテンス, 69’アデイェミ
主審:イシュトヴァン・コヴァーチ