圧力で持ち味を消しはしたが
グループAは1強3弱の様相。ガラタサライとマンチェスター・ユナイテッドの苦戦により、序盤戦で星を落とし続けたコペンハーゲンにもチャンスが回ってきている状況である。
機能的なボール保持とソリッドなプレッシングから強敵と対峙してきたコペンハーゲン。その心意気はミュンヘンにおいても同じである。4-3-2-1というべくシャドーがインサイド側に絞り、IHが大外に出ていくスタンスで中盤より先にスムーズに前に進ませない。
バイエルンは序盤から外回りのポゼッションでのスタート。ボールを持つことを許されたCBから前進を狙っていく。外循環で縦に進むボール保持から狙うは即時奪回。ボールを奪ったコペンハーゲンに対して、即座にプレッシングを仕掛けていく。
中盤より前でボールを奪いたいバイエルンに対して、コペンハーゲンは手数をかけてこれを回避。3バックに変形して余った1枚からボールを運ぶトライで保持の時間を作っていく。
十分に対抗できているコペンハーゲンだが、CBのキャリーと外にIHを引き出される機会があまりにも多くなってしまい、守備のシフトを変える決断を行う。シャドーが大外レーンを埋めるような形の4-5-1で2列目をフラットに、かつライン間をコンパクトにすることで縦パスを差し込ませない形を組んでいく。
押し込まれることを許容したコペンハーゲンはボールを奪った直後のポゼッションの時間を確保できないように。ゴールは遠ざかってしまい、ひたすら耐える時間が続く展開となった。
後半も主導権を握ったバイエルン。サイドからの奥行き作りとケインへのロングボールを使った崩しでコペンハーゲンのコンパクトな守備を広げにいく。しかしながら、前線のオフザボールの動きだしはもう少し欲しいところである。
コペンハーゲンは後半も押し込まれる課題を解決することはできず。ロングボールからの陣地回復を図るが、効果的な反撃手段にはならずに苦戦は続いていくこととなる。
終盤にPKを獲得したかと思われたバイエルンだが、OFRでこれは取り消し。すんでのところで助かったコペンハーゲンは敵地でクリーンシートを死守。勝ち点1をなんとか守りきり、最終節に望みをつなぐこととなった。
ひとこと
コペンハーゲンに良さを出させなかったバイエルンの圧力は上々といったところだろう。
試合結果
2023.11.29
UEFAチャンピオンズリーグ
Group A 第5節
バイエルン 0-0 コペンハーゲン
フースバル・アレナ・ミュンヘン
主審:ステフェン・フラッパート