今季を象徴するような流れでセビージャの敗退決定
積極策に出てきたのはPSV。プレスの意識が強く、高い位置からセビージャのビルドアップ隊を捕まえに行く。
というわけで立ち上がりはセビージャがいかにプレスを外すかという点で勝負をかけていくスタートとなった。基本的には動く中盤、特にCHの移動によって外していきたいイメージであるが、PSVはここをマンツーで潰し切るスタンスであり、なかなか自由を与えてもらえなかった。
しかしながら、セビージャにはいくつかプレスを破る方策が用意されていた。１つは右のSBのナバスのオーバーラップ。オフザボールでマークを外し、背負った状態からのポストを受けてフリーになる形でマンツーを破る。
もう１つはルケバキオのドリブル。ターンから強引に横ドリブルを開始し、加速して相手を置き去りにしていく。この２つにより、セビージャは少しずつ敵陣に入り込む状況を作り出していった。捕まえきれなくなったPSVは徐々にプレスが緩んでいく。
そうした中で先制したのはセビージャ。セットプレーからのラモスのゴールで順当に先行する。PSVは右のトラオレで勝負できるポイントを作るが、なかなか押し込んでから先のフェーズが機能せずに手詰まりになってしまう。
むしろ、ボールを持つフェーズでなくともセビージャが優勢を維持していた印象。カウンターとロングボールから無理なく前進が可能。流れるようなコンビネーションから追加点を得たかと思ったが、これはハンドで取り消し。それ以外にもバーを叩くシーンがあるなど、次のゴールに近いのはセビージャの方だった。
後半もいい流れを継続していたのはセビージャ。アクーニャ→エン=ネシリという大きな展開から早々に追加点をモノにする。フェルテッセンが後半早々のチャンスを決め切れなかったのとは対照的。これでセビージャのリードは２点でセーフティな状況である。
しかし、こうしたいい状況を簡単にひっくり返されてしまうのが今季のセビージャの詰めの甘さである。優位な状況の中であっさりとオカンポスが退場してしまい10人に。これでセビージャは5-3-1での撤退を余儀なくされる。
以降は10人相手にPSVが攻め続けるフェーズに突入。左サイドからのクロスをサイバリが仕留めて追撃弾を決めると、ここから一気に反撃に転じることに。
同点弾となる2点目はオウンゴール。とはいっても左右にきっちり揺さぶりながらの形であり、PSV側がきっちりと崩した形であることは明らかだろう。
さらに決め手となった決勝ゴールは後半追加タイム。途中交代で入ったペピのゴールで土壇場にPSVは逆転ゴールをゲット。まさに乗り切れない今季の彼らを象徴する乗り切れない展開で勝利を取りこぼしたセビージャはこれでCLの舞台から姿を消すことが決まった。
ひとこと
序盤戦はチームを牽引していたオカンポスだが、この試合での流れを変える退場は本当に余計だった。
試合結果
2023.11.29
UEFAチャンピオンズリーグ
Group B 第5節
セビージャ 2-3 PSVアイントホーフェン
エスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスファン
【得点者】
SEV:24‘ ラモス, 47’ エン=ネシリ
PSV:68‘ サイバリ, 81‘ グデリ(OG), 90+2‘ ペピ
主審:ダヴィデ・マッサ
