スピーディーな攻撃から大量4得点で首位確保
グループCは首位をひた走るレアル・マドリーをナポリが追走する構図。この試合に勝てばマドリーは首位でのグループステージ通過が確定する。ベルナベウでの開催となるが、ナポリからすればすでに突破を決めているマドリーからは1ポイントを取ってノックアウトラウンド進出を決めたいところだ。
やや落ち着いて入ったのはナポリ。WGはラインを下げてスペースを埋めることを優先。IHのアンギサはクロース番っぽくも見えるが、DFラインに降りていくのならば深追いはしないというスタンス。まずはきっちりとライン間を埋めるイメージといえるだろう。
一方のマドリーもキーマンであるクヴァラツヘリアにはダブルチームをつけるなど入念な対策を施していた印象。しかしながら、4-4-2で構えるマドリーの守備はFW-MF間が間延びしてしまい、なかなかギャップを埋めることができない。ロボツカの解放を難なくできる分、ナポリが安定した前進を見せる。
先制したのはそのナポリ。クヴァラツヘリアから右の奥のディ・ロレンツォにボールが渡ると、折り返しをシメオネ。ファーのクロスを使ったお手本のような得点パターンから先行する。マドリーとしてはクヴァラツヘリアへのアプローチに悔いが残る。セバージョスもカルバハルも距離が遠くなってしまい、クヴァラツヘリアに全く制限がかからない瞬間が生まれてしまった。
しかしながら、秒で同点にするマドリー。中盤で時間を作ったディアスのターンは見事。ロドリゴが豪快なシュートを沈めてあっという間に試合を振り出しに戻す。
同点になってからはマドリーがボールを持つようになるが、中盤の間延び感に特に手を打ったわけではないので、ボールを持たれると押し込まれはする。だが、ボールを持てるような状況を利用したような追加点がマドリーに生まれる。アラバのタッチダウンパスにベリンガムが抜け出して勝ち越し。マドリーは前半のうちにリードを奪う。
先制点のように中盤で時間を作れる選手がいるかどうかは時間と共に重要になってきた感じ。得点が必要なナポリがオープンな流れを仕掛けたことで間延びしたスペースから一気に敵陣を攻め落とす精度を求められる後半になった。
チャンスの多い展開の始まる前にナポリが同点に追いつく。右サイドのペナ角アタックから始まる一連の攻撃の中でアンギサがスーパーなミドルを決めて試合はタイスコアに。
その後はオープンな撃ち合いになったがどちらかといえば分があったのはマドリーだろう。ロドリゴやディアスという2トップはSBがマークするのか、CBがマークするのかファジーな位置を取るのがうまい。SBが2トップに引き寄せられるというナポリのスタンスを利用したマドリーが2トップの外からランを仕掛けて抜け出し、平行にグラウンダーのクロスを入れる形からチャンスをつかんでいく。
それでもなかなかゴールが決まらない後半。試合を動かしたのは伏兵のニコ・パス。超絶ミドルをメレトがはじき切れず、大きな決勝点を追加タイム前に生み出す。
仕上げとして大外ラン→ホセルのゴールで勝負あり。その前のシーンで大チャンスを逃したストライカーがきっちりとゴールで幕引きに成功。マドリーは5連勝で難なくグループステージ首位通過を決めた。
ひとこと
オープン合戦はちょっとナポリには分が悪かった感がある。ベリンガムとロドリゴに加えて、ディアスがここまで調子がいいと手が付けられない。
試合結果
2023.11.29
UEFAチャンピオンズリーグ
Group C 第5節
レアル・マドリー 4-2 ナポリ
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
【得点者】
RMA:11’ロドリゴ, 22′ ベリンガム, 84‘ パス, 90+4’ ホセル
NAP:10′ シメオネ, 47‘ アンギサ
主審:フランソワ・ルドゥグジエ