乱戦気味の消化試合
レアル・マドリーは突破、そしてウニオン・ベルリンは早々に敗退が決まっているグループC。この一戦は両チームにとっては完全なる消化試合である。
5-3-2でブロックを組む構えを見せるウニオン・ベルリンであったが、マイナス方向のパスに追い直すことでプレスをかけると、モドリッチのミスを誘発することに成功。ベーレンスが決定機を迎える。
このハイプレスで成功体験の味を占めたウニオン・ベルリン。高い位置からのプレスの積極性を高めることでマドリーを追い詰めていく。
マドリーはライン間でロドリゴに前を向かせることができればウニオン・ベルリンの強気の姿勢をひっくり返せる。少しずつ落ち着きを見せるようになってきたマドリーはサイドからの押し下げがメインに。特に左サイドのベリンガムの外側を追い越すガルシアがかなりアクセントになっていた。
サイドチェンジを使いながら薄い外のサイドを活用しながら押し下げていくマドリー。左サイドをやや多めに両サイドのクロスを武器に進んでいく。すると、外からのクロスでハンドを誘発。前半に先行する絶好のチャンスを迎えるが、これをモドリッチが決められず。
このまま前半は終わるかと思われたが、ウニオン・ベルリンがカウンターからアラバの対応ミスを誘い、まさかの先制ゴールをゲット。まさに地獄から天国にという形でゴールを手にしたウニオン・ベルリンが先行し、ハーフタイムを迎える。
後半も早々にシュートを見せるなど強気な姿勢をみせていくウニオン・ベルリン。保持のメインはマドリーだが、ウニオン・ベルリンも積極的にさらにゴールを生み出したい前のめりな気持ちを見せていた。
ただ、押し込むフェーズにおいてはマドリーがそれなりに手ごたえを得ていたのも事実。ベリンガムから抜け出したロドリゴへのピンポイントクロスはレノウのファインセーブに阻まれるが、リトリートした5-3-2ブロックを破壊する手段をマドリーが持っていることの証明でもあった。
そんなマドリーは存在感を見せていたロドリゴからのクロスで同点に。クロスを叩き込んだホセルはマークを外さないままシュートを叩き込める強さを見せてゴールを引き寄せた。
試合はこれ以降オープンな展開に。ウニオン・ベルリンは前半ほどのボールハントの精度を見せることができずに苦戦。そんなウニオン・ベルリンを尻目に左サイドからのクロスをホセルが再び仕留めてマドリーがリードを奪う。
このまま試合は終了かと思われたが、マドリーは特にゲームクローズをきっちり行うわけでもなく展開はバタバタ。ディアスの自陣付近でのロストがきっかけでウニオン・ベルリンに同点ゴールを許してしまう。
そんな状況のチームを救ったのはセバージョス。自らのロストからピンチを招くなど流れの悪さの一端を担った張本人ではあるが、最後はゴールを仕留めての大仕事。消化試合とは言えウニオン・ベルリンの前にきっちりと立ちはだかったマドリーが最終節も勝ち点3を積み上げた。
ひとこと
ウニオン・ベルリン、とがっていて面白いチームだったんだけどな。
試合結果
2023.12.12
UEFAチャンピオンズリーグ
Group C 第6節
ウニオン・ベルリン 2-3 レアル・マドリー
オリンピア・スタディオン
【得点者】
UNI:45+1‘ フォラント, 85‘ クラール
RMA:61’ 72‘ ホセル, 89‘ セバージョス
主審:ラデ・オブレノヴィッチ