文句なしの完勝で堂々の首位通過
すでにグループEは突破争いが決着。残すはアトレティコとラツィオの首位通過のみ。直接対決で雌雄を決することとなる。
アトレティコの保持は4バック型で左右は非対称。左のWBのリーノを押し上げる形で左の大外を占有される一方で、右の大外は空白地帯となっていた。
バックラインから横幅を使ってラツィオの4-5-1→4-4-2へ変形した2トップを外すことで前進を狙っていくアトレティコ。2トップを外すことに成功し、間延びした中盤を横断すると、左サイドから縦に抉ることに成功したリーノがグリーズマンにアシストを決める。
ラツィオも左サイドに落ちるルイス・アルベルトからの縦パスでインモービレのポストからザッカーニの抜け出しのチャンスを作るが、こうしたアトレティコのブロックを破壊するシーンは稀。論点としてはアトレティコの保持のフェーズがほとんど。4-4-2に変形するラツィオがプレスの強度で押し切るか、それとも変形の際に出来たギャップを利用したアトレティコがスムーズに前進をするかのどちらかである。
ラツィオの攻撃の手薄さを考えれば優勢だったのはアトレティコだろう。ゴールこそ取り消しになったが、デ・パウルがラツィオの中盤の脇を取るところから一気に加速し、ネットを揺らしたシーンなどは明らかに崩しの手ごたえがあったはずである。ボックス内への侵入の頻度が上がらないラツィオを尻目に保持からチャンスを作っていく。
後半のアトレティコは保持だけでなくプレスも前向き。高い位置からのプレッシャーで全体の陣形を前に押し上げていく。特に効いていたのは左サイドのエルモソの攻撃参加。ダイナミックな攻め上がりでさらにラツィオを追い詰めていく。
好調のアトレティコは後半早々に追加点をゲット。左サイドからリーノが2点目を奪い、リードを安全圏まで引き寄せる。
2点目以降、アトレティコは一方的に攻め立てるターンに。後半のラツィオは押し込まれてしまい、なすすべもないまま失点をしてしまった印象である。
73分のセットプレーはさらなるアトレティコのゴールのチャンス。抜け出しは完璧、シュートが枠に飛ばないというのはいかにもモラタらしい決定機であった。
終盤にようやく押し込む機会を手にしたラツィオだが、押し込んでもその先がなくアトレティコのブロックに刺さる攻撃を放つことができない。あらゆる局面でアトレティコがラツィオを上回っての完勝。文句なしの内容で堂々の首位通過を決めた。
ひとこと
ちょっと、ラツィオからすると勝てそうな部分が見当たらない試合だった。
試合結果
2023.12.13
UEFAチャンピオンズリーグ
Group E 第6節
アトレティコ・マドリー 2-0 ラツィオ
エスタディオ・シビタス・メトロポリターノ
【得点者】
AMA:6‘ グリーズマン, 51‘ リーノ
主審:セルダル・ゴズヴュク