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「サカの負担を軽減できるか」~2023.10.3 UEFAチャンピオンズリーグ グループB 第2節 RCランス×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ グループB 第2節
2023.10.3
RCランス
×
アーセナル
@スタッド・フェリックス・ボラール

戦績

過去の対戦成績

 過去4回の対戦でRCランスの1勝、アーセナルの2勝、引き分けが1つ。

予習

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予想スタメン

展望

前線がスピードに乗れるかがキー

 開幕戦ではPSVを打ち破り、順調なスタートを切ったアーセナルの7シーズンぶりのCL挑戦。続く相手はフランスのRCランスである。

 昨シーズンの成績はリーグアンで2位。優勝をほぼ手中に入れたPSGの失速があったといえ、首位と1ポイント差というのは立派な数字だろう。スタッツの中で真っ先に目を引くのは失点の少なさ。29失点はリーグベストの失点数だ。

 しかしながら、今季はスタートダッシュに失敗。PSGやモナコといった強いチームとの試合がすでに組まれていたという事情もあるが、開幕5戦で未勝利というのは手痛い序盤戦になったといえるだろう。ここ2試合で連勝と少しずつ上向きの気配があるが、まだ順位表ではボトムハーフに沈んでいる。

 基本的なシステムは3-4-2-1であり、メンバーも固定気味である。上でサンプリングしたCLのセビージャ戦とリーグのストラスブール戦の2つの試合では異なっているポイントはWBのアギラールorフランコフスキとCHのデュウフorサメドの2か所だけである。

 もっともシステムと人員は同じでもスタイルは相手に合わせて柔軟に対応している点は見逃せない。セビージャであれば相手にボールを持たせてがっちり守ることに抵抗はないし、ストラスブールが相手であれば自分たちがボールを持ってゆったりと攻めることができる。

 ボールを持つアクションとしては3-4-2-1からCHが縦関係になる形になり、3-1型でのビルドアップが軸。後方に残るCHとしてアンカーのように振る舞うのはナンパリス・メンディ。プレミアファンにはなじみ深い名前だろう。

 メンディの相方となるデュウフは積極的に前線に飛び出していく。よって、3-1-6気味の変形が基本線だ。デュウフがよく飛び出してくる左サイドはシャドーのフルジーニが低い位置を取るため、後方からの攻撃参加が活発なサイドでもある。デュウフに加えて後方からWBのマチャドの攻め上がりも積極的に行われている。メンディからはこうした幅を使った配球が飛んでくるのがRCランスの日常だ。

 しかしながら、得点にクリティカルに結びつくのはサイドからのWBのシンプルなクロスではない。インサイドの高さの問題もあるが、基本的にはほかに威力の高い手段が多いことが理由だろう。

 彼らの攻撃の威力を最大化できるのはプロセス不問でアタッカーが前を向いてスピードに乗る形。カウンターでも自らで反転して前を向いてもいいが、前にスピードがある状況でよーいドンでも十分に勝負ができる

 こうした状況が最も得意なのはアーセナルとも今夏リンクされたワイ。抜け出す形ではなく、背負いながら反転して相手を置いていくこともできるスピードを持っている。ミドルのパンチ力も充分である。

 その一方でそうした前線に前を向かせる仕組みがあるかと言われればそういうわけではない。ワイをはじめとする前線が前を向いてスペースある状況をもっと再現できれば、RCランスの攻撃の精度は高まるだろう。

 守備は5-4-1のリトリートを優先だが、ベタ引きというよりもミドルゾーンくらいで踏ん張るのが狙いだろう。トップのワイが片側のサイドに誘導し、動けるCHが列を上げてプレスを仕留めに来る。

 最終ラインのプレッシングの連動は基本的には徹底しているが、中盤と出ていくかどうかの判断にギャップが出る時もある。押し上げに対してはそこまでリスクを取らない場合もあり、この点も後ろに重たい5-4-1でスペースを埋める意識がそれなりにあるということだろう。

サカへの負荷を軽くする攻略法を

 アーセナルはまずは保持の時間を長くとりながら、ボックス内の攻略を目指していきたいところ。1トップの誘導を外して、ワイのいないサイドからボールを運ぶのが理想。前節のボーンマス戦に前節のプレスの誘導を外して逆から運ぶことができれば相当いい。

 さらにはワイのいない側からの中盤への侵入でデュウフなどの中盤を引っ張り出せればより良い。ただし、先にも述べたようにこの局面はRCランスのカウンターの発動要件でもある。失ってしまえばピンチ。よって中盤に寄せられた時は後ろや横に逃げられるかは絶えずチェックしていきたい。

 中盤を引き出してDF-MF間を進むことができれば、アーセナルの攻略はスムーズに進む。ジョルジーニョはこうしたスペースに縦パスを差し込むスキルは一級品。ボーンマス戦のようにボールを持ち続けてカウンターを食らう機会が減らせるのであれば、ぜひ先発で起用したい。

 中盤でギャップを作るのが難しければ、WGを基準の攻略に移行することになる。堅実に枚数を揃えてくるので、DFラインの手前のスペースでフリーマンを作り、裏のスペースを攻略するイメージは持っておきたいところだ。

 特にサカのいない左サイドはこうした細かい抜け出しの動きをあわせる部分はさぼりたくはない。サカにしても細かい負傷が多く、シティ戦を前に消耗は避けたくないところ。出るにしても先に述べたように手前で中盤を引き出しながらスペースが空きそうなポイントを作ることで、右サイドのサカの負担を軽くする工程を事前に挟みたい。逆にトロサール、ヴィエイラ、できればマルティネッリといった負傷明けの面々は少しでもプレータイムを確保してからシティ戦に臨みたい。

 守備においては3トップをきっちり抑えられるかどうか。WBが攻撃に絡んでくると面倒だし、ボールを持てばそうしたタメは作れるチームである。ホームの後押しがあるチームに対して攻撃を受け続けるのはあまり得策ではない。

 大外のWBからボールを運んでくることが多いのでDFラインはきっちりと横にスライドすること。また、前線の飛び出しに対してまで同サイドできっちり抑え込むことが重要だ。裏パスをださせても折り返させない潰し方は心がけていきたい。

 シティ戦にどうしても気持ちが行きがちな一戦ではあるが、ここをモノにすればCLではだいぶ余裕が出てくる。相手の抑えるポイントを逃さず、きっちり勝ち点を積み上げたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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