因縁深い相手のオウンゴールで3ポイント
より高い位置からプレッシャーをかけていくのはホームのバルセロナ。セビージャのバックラインに対して、片側サイドに追い込むようにプレッシングをかけていき、狭いところに閉じ込めてからボールを奪いにいく。
セビージャは追い込まれるようになると、あっさりロングボールを蹴り出すように。設計されたロングボールを蹴っているわけではないので、必然的にボールはバルセロナの元に渡すケースが多くなる。よって、試合はバルセロナのポゼッションが多くなる。
セビージャはバルセロナのCBを1枚で監視。その代わり中盤はマンツーでマークをぶつけてくる。ここの部分で脱出に貢献していたのはハフィーニャ。珍しいIH起用だったが、ポスト的にボールを受けては逆サイドに大きな展開をすることでバルサのパスワークをプレスの弱まっているところにうまく逃していた。
バルセロナの立ち上がりの攻め手になっていたのは左SBのバルデ。フェリックスがインサイドに立ってボールを持ち、大外でバルデが追い越していく形をとることで最終ラインはインサイドにスペースができることになる。
セビージャはやや苦しい展開となった。奪った後のカウンターからチャンスを狙っていきたいところだが、なかなか効果的なカウンターを打てず。1つはミスが絡んでこないとなかなかチャンスにならない状況だった。
30分くらいからバルセロナは2列目の飛び出しに合わせた裏へのロングボールからチャンスを作っていく。やや直線的な展開にはなるが、一本調子になることを抑えていたのは右サイドのヤマル。高いサイドでボールを持つと、そこからの仕掛けてPA内にチャンスを供給していく。スコアこと動かなかったが、攻め手の豊富さに関しては明らかに両チームに差がある内容だった。
後半、セビージャはワンサイドカットからの同サイドへの追い込みを仕掛けていく。序盤はこの形が効いていた印象だったセビージャだったが、バルセロナはサイドチェンジのタイミングを早めていくことでポゼッションから落ち着かせていく。セビージャは高い位置からのプレスの撤退を徐々に強いられるように。
後半も右サイドのヤマルは絶好調。大外のヤマルとインサイドのレヴァンドフスキの2人は相手の陣形を立ち位置で歪ませる引力を持っており、この2人の作ったズレを他の選手で使っていく形でゴールに迫る。
逆サイドにフェラン・トーレスを入れると、バルセロナは左右から崩しの起点を作れるように。左右に攻撃の起点を分散したバルセロナ。今度はクロスに飛び込む側になったヤマルが折り返すと、このボールがラモスに当たりオウンゴールを誘発。ついにバルセロナが終盤に先制点を奪う。
ナバスを投入し、右サイドから深さを取れるようになったセビージャ。レヴァンドフスキの決定機を止めるDF陣の奮闘をなんとか勝ち点に結びつけたかったところだが、最後までこじ開けることはできず。バルセロナが因縁深いラモスのオウンゴールで3ポイントを手にした。
ひとこと
セビージャにチャンスが全くないことはなかったが、より強いチームがきっちりと優位を活かして勝ち点を奪ったなと思った。
試合結果
2023.9.29
ラ・リーガ 第8節
バルセロナ 1-0 セビージャ
カンプ・ノウ
【得点者】
BAR:76′ セルヒオ・ラモス(OG)
主審:オルティス・アリアス