結果第一の一戦で首をつなぐ
CLでは死闘の末に劇的な敗戦を喫してしまったマンチェスター・ユナイテッド。野戦病院状態のスカッドにいつまでも上向かない選手のコンディション。テン・ハーグはまさしく四面楚歌といった状態となっている。ホームにルートンという状況すら、負けられないという逆の意味でのプレッシャーに押しつぶされかねないチーム状況だ。
3-4-2-1で組んだルートンに対して、マンチェスター・ユナイテッドはワントップの脇からCBが運ぶスタート。落ち着いたボール保持の機会を得るという意味では十分かもしれない。
しかしながら、各駅停車でボールをWGに預けて、またバックラインにもどすというのがこの日のユナイテッドのボール保持の流れ。いわゆる相手の懐に入り込めないU字のポゼッションでなかなかクリティカルに切り込むことができない。
シンプルなラッシュフォードのクロスを収められるホイルンドのおかげでアバウトな攻撃でもそれなりに差し込むことができるのは朗報ではあるが、やはり手前に引き出すアクションの不足は気になるところ。起点としても終点としても優秀なホイルンド。そんな中でも後方からゲームを組み立てられるエリクセンの負傷が暗い影を落とすのは今のユナイテッドを悪い意味で象徴している。
ただし、押し込むことによる意義がなかったわけではないユナイテッド。スムーズに即時奪回に移行するスタンスや中盤の高いプレス意識はルートンのポゼッションをばたつかせるには十分。クロスまでが一杯となっていたルートンはなかなか敵陣に迫ることができず、35分のカボレ→モリスのクロスを除けばなかなか有効打を打てる状態ではなかった。
迎えた後半、ボールを持ちながら進むユナイテッド。セットプレーから早々にチャンスを得て、ルートンのゴールマウスを脅かす。
ルートンは左サイドから反撃に出る。ダウティーの攻め上がりやオグベネの推進力あたりはオールド・トラフォードでも十分通用する武器となっていた。
しかしながら試合を動かしたのはホームのユナイテッド。再び、セットプレーからチャンスを迎えると決め手になったのはリンデロフ。先発復帰を祝う一撃でルートンのゴールを破りついに喉から手が出るほどほしかった先制点にたどり着く。
この虎の子の一点を守り切ったユナイテッド。最後まで単調な感は否めなかったが、この日のユナイテッドにとっては何はともあれ勝つことが重要。交代選手がエンジンをかけられずに反撃に出れないルートンを尻目にゴールに鍵をかけ、クリーンシートで勝利を手にすることとなった。
ひとこと
ここで負けたらやばい!のところで勝って延命するのはテン・ハーグあるある。スールシャールに続き、ユナイテッドの最近の監督の粘りはなかなか。
試合結果
2023.11.11
プレミアリーグ 第12節
マンチェスター・ユナイテッド 1-0 ルートン・タウン
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:59‘ リンデロフ
主審:グラハム・スコット