仕掛けたフラムの隙をついたビラ
立ち上がりはフラムがボールを持つスタート。バックラインが横幅を使ったパス回しを行い、アンカー管理型4-4-2を採用したアストンビラ相手に安定した保持から入る。高い位置をとり、相手の前線にタイトにあたるバックラインも含めて、フラムは保持のターンを回すためのアプローチから入ることができていた。
しかしながら、ビラは先に決定機に辿り着く。タイトな中央ではなく左サイドから押し下げていくディーニュからエリア内でディアビがフリーでシュートまで持っていくことができた。
10分も経てばフラムのプレスが落ち着き、アストンビラの保持の局面がだんだんと増えていくように。この時間帯からはどちらも前線が無理にプレスに行かなかったため、保持側が相手のブロックを壊すためのきっかけとなるパスから一気に加速していく形からチャンスを迎えるように。
ただし、アタッキングサードにおける崩しの手段はアストンビラの方が明らかに豊富。フラムはサイドの崩しに昨年ほどのキレがなく停滞感があった。22分にウィリアンが逆サイドに出張した場面を除けば、相手をサイド攻撃から出し抜けるシーンがあまり見られなかった。
よって、プレスに出ていって流れを変えなければいけない状況に陥ったフラム。そのフラムの前プレを外すところからアストンビラは先制点をゲット。外切りプレスを仕掛けたボビー・リードのスペースに入り込んだドウグラス・ルイスから攻撃を開始すると、裏に抜けたティーレマンスのクロスからロビンソンのオウンゴールを誘発する。
先制点を得てもなおアストンビラは保持から主導権をキープ。押し込みながら攻撃を重ねていく。すると、前半終了間際にマッギンがミドルで追加点。ヘディングでボールをマッギンに渡してしまったロビンソンは受難の前半となってしまった。
後半、同じく保持でスタートするアストンビラ。しかしながら、フラムも保持から反撃。右サイドのイウォビの抜け出しから決定機を迎える。だが、ヒメネスのシュートはポストにあたり、ウィリアンがシュートを押し込むことができない。途中交代で入ったウィルソンも含めて前半よりは攻撃の流れは悪くなかったフラムだが、ボックス内のプレー精度がついてこず、得点には結びつかない。
するとアストンビラはファストブレイクから追加点。外を回るディアビからワトキンスが仕上げを決めてさらにフラムを突き放す。
完敗ムードだったフラムの救いは受難のロビンソンが追撃弾の起点になったことくらいだろう。敵陣での仕上げの豊富さを見せたビラがホームで完勝を収めた90分だった。
ひとこと
ビラは強いのだが、それにしても前半のフラムの停滞感は少し心配だった。
試合結果
2023.11.12
プレミアリーグ 第12節
アストンビラ 3-1 フラム
ヴィラ・パーク
【得点者】
AVL:27’ ロビンソン(OG), 42’ マッギン, 64‘ ワトキンス
FUL:70’ ヒメネス
主審:サイモン・フーパー