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「Catch up AFC Champions League」~2022.4.18 グループステージ 第2節 広州FC×川崎フロンターレ ハイライトレビュー

■長いボールさえ蹴れれば問題なし

 第2試合はリザーブチームでマレーシアにやってきた広州FC。元々メンバーを落としている上に、1試合目で退場した選手はクビになっているので、多分マレーシアに来てからさらに弱くなっているチームである。



背後から相手選手の顔面を蹴る愚行で一発退場→即解雇…ACL出場の広州FCのDFがクビに(超WORLDサッカー!) – Yahoo!ニュース


中国スーパーリーグの広州FCは16日、DFグァン・ハオジン(26)の解雇を発表した。


news.yahoo.co.jp

 というわけで川崎も思い切って攻撃に舵を切ったメンバーである。バックラインに加えて、中盤が必ず1枚降りてくる形でプレスにこない広州の1トップの周りに人を集める。

 いうまでもなくたくさん点はとった川崎ではあったけど、前進のメカニズムがうまくいっていたかはよくわからない。IHが低い位置まで下がる意味はあったのかは微妙。広州の選手の中盤より後ろの選手たちはとりあえずボールに近いところにわらわら集まってくるので、川崎としては詰まりそうになったら結局大きなキックを蹴っ飛ばしてしまえばつながるし、むしろ自然とチャンスというパターンが続いていた。

 なので、プレッシャーがない割にはショートパスから機能的な前進がないのは気になった。けども、ピッチは荒れているし、ロングボールは通っているしとショートパスを使わない理由は溢れているので、必ずしもダメとはいえないのは難しいところである。

 大きな展開の受け手になっていたのは左の大外に張る宮城がメイン。アンカーの小塚からフィードが飛んでくるのが定番であった。小塚はこのピッチでも正確無比なロングキックができるし、宮城はピタッとボールを止めることができるというのは川崎クオリティだなと思った。

 宮城が外を張るのに合わせて、インサイドに走り込んでいく動きを入れ込むことで川崎は簡単にPA内に侵入することができた。IHのチャナティップやSBの松井がこの入ってくる役割を担っている。基本はスペースが空いたところにパスを差し込んで、受けた側がノープレッシャーでゴールの方に向くことができて、シュートするという形が多かった川崎。

 守備に関しては攻撃重視でメンバーを振ったとはいえ、少し気圧され気味なのは気になった。広州がボールを持って前を向いた時は、川崎が体を先に入れられてファウルをせざるを得ないみたいな場面も目立ったし、松井は開始早々に警告を受けてしまった。広州はCFにとりあえず当てるボールが多かったけど、ショートパスを繋ぎながらのアプローチを仕掛けられた方が川崎としては嫌だったかもしれない。

 正直、ユニットでの崩しを見たいところではあるが、このユニットでJでそのまま出るということは想像がつかないので、どこまでそこを突き詰めるのかは難しいところである。というわけで何人かピックアップして寸評を。

 前線に関していえば、知念と宮城の調子の良さは目につく一方で小林はやはり決定力の場面で不安がある。点は決めているが、多くのチャンスを枠外やポストに当てたりなどでフイにしてしまっており、あまり好調ではないのではないかと思わされた。

 松井は前半のみの出場。立ち上がりは主に非保持で試合に入れていない感じもあったが、終盤は知念に視野の広さを感じさせるラストパスを出すなど時間と共に慣れていった印象だ。

 瀬古はRSBでの出場。オーバーラップのタイミングを問われるシーンが少なく、高い位置をとっていても勝手にボールは受けられたので、オフザボールの評価は難しいところ。だが、ボールを持った時に内側にパスを入れる動きは山根同様意識されていて良い部分だと思った。後半はポジションは据え置きでボールタッチを増やしながら、司令塔的な振る舞いが増えた。中盤の選手らしいプレーが見られたのはとても良かった。個人的には広州以外の試合やリーグ戦でも見たいところ。できれば中盤で。

 田邉は後半からの出場。大外を回るようなダイナミックなオーバーラップでエリア内への侵入が数回あった。非保持においてはあまり守備機会がなかったのでよくわからないのが正直なところ。同じく、守備機会が限定的だった高井はとにかくでかい。ベンチ入りメンバーが多いACLなら終盤のパワープレー要員として入れるのも面白いように思う。

 五十嵐は右サイドでの出場。中盤まで降りながらボールに触りつつリズムを作るタイプの選手のように思えた。狭いところでのプレーも苦にしないのは魅力。CFの選手かと思っていたが、外に流れても問題なくプレーできるのは好印象だ。この日は存在感を見せたが、試合の強度が上がった時にどうなるかは気になる部分でもある。

ひとこと

 怪我なく試合を終えられて何よりである。たくさん点は取れたが、この試合だけで何が証明されるということでもない。それでも結果を出した選手もいるし、もっとプレーが見たい選手もいた。ベンチ入りメンバー枠が多いACLは多くの選手が出場するチャンスが広がる。ジョホール戦でプレータイムを得られるメンバーがここから何人いるかは楽しみである。

 あと、ピッチの話をすると弾道の高いロングボールは一気に止まるので、スペースへのロングボールは今後結構使えそう。

試合結果
2022.4.15
AFC Champions League グループステージ
第2節
広州FC 0-8 川崎フロンターレ
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユーヌス・スタジアム
【得点者】
川崎:7′ 12′ 知念慶, 16′ 71′ 車屋紳太郎, 21′ 39′ 小林悠, 50′ 宮城天, 69′ チャナティップ
主審:パヤム・ヘイダリ

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