2つの決め手になったエリオット
2週連続ランチタイムキックオフという厳しいスケジュールを迎えているリバプール。セルハースト・パークで迎え撃つパレスはどんな状況でも優位に働くものは活用したいくらいには追い込まれている。なんとか勝ち点をもぎ取りたい一戦である。
案の定、ボールを持つのはリバプールの方である。パレスはリバプールのバックラインにプレスに行かず引いて受ける形に終始した。ただし、別枠で狙い目として設定していたのはアンカーの遠藤。彼がボールを持つとヒューズが積極的に狙い撃ち。ボールを持っている状況をひっくり返した流れからあわやPKを献上してしまいそうな場面も出てきたほどだった。
いつもよりややパレスの中盤に迎撃の姿勢が強かった分、リバプールは横断しながらパレスのDF-MF間をつないながら逆サイドにつないでいく。ロングカウンターのきっかけも少なくはなかったが、ややヌニェスとディアスの役割がかぶっている。このあたりはここ数試合見られる欠点なので少し調整が必要なところだろう。
とはいえ、パレスもまた遠藤を狙い撃ちにするプレス以外にはなかなかボールを前に進めるきっかけがなく苦戦。リバプールよりも明らかに得点のにおいがしない状況だった。
27分に訪れたロングカウンターのチャンスはサイドへの展開をしたシュラップとゴール前まで駆け上がったレルマが見事。もう一歩で完結させられるところだった。
このカウンターからパレスはカウンターの機会が増加。序盤よりもフラットに展開を持っていく形でハーフタイムを迎える。
後半、リバプールは遠藤を下げた影響でパレスはプレスの目標を失うことに。前半は4-2-3-1気味だったが、後半は4-5-1フラットでラインを低めで迎え撃つ。その分、前線に入ったマテタをターゲットにロングボールを主体として前進をしていくスタンスに切り替えた。
スキをうかがっていたパレスは手早い攻撃からチャンスをゲット。ボックス内でクアンサーのPKを誘う。これをマテタが決めてゴール。パレスが先手を奪う。
しかしながら、試合の流れはそこから一変。交代直後のエリオットがアイェウを2枚目の退場で追いやったところで主導権はリバプールに。パレスは4-4-1の関係性が整理できないまま右サイドの奥を取られるようになると、マイナス方向に待ち構えていたサラーが同点のゴールを奪う。
その後も一方的に右サイドからパレスを攻め立てるリバプール。パレスは大外とハーフスペースを組み合わせてくるリバプールのアタックに後手を踏み続けるように。
そして決壊したのは後半追加タイム。エリオットがズルズル下がったパレスのブロックの手前からのミドルシュートでこじ開けに成功する。
終盤のクローズはややバタバタしたリバプールだったがアリソンが重要なところをやらせないままシャットアウト。数的不利で流れを掴んだリバプールが敵地で逆転勝利を挙げた。
ひとこと
アイェウの退場と決勝ゴールの両面で活躍したエリオットがまぶしかった。
試合結果
2023.12.9
プレミアリーグ 第16節
クリスタル・パレス 1-2 リバプール
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:57‘(PK) マテタ
LIV:75’ サラー,90+1‘ エリオット
主審:アンディ・マドレー