ゴールショー、第2幕
ここ最近振るわない試合が続いているフラムだったが、前節はその鬱憤を晴らすのようにフォレストに5得点の大勝。いきなりの爆発で悪い流れをシャットアウトして見せた。
今節の相手はより上位のウェストハム。互いに中盤の枚数合わせを優先し、バックラインにプレスを無理にかけないチーム同士の一戦。保持側がどのようにブロック攻略を成功させるかの引き出しが問われる展開に。
ウェストハムはロングボールを軸に攻めているが、相手のバックラインを揺さぶるアクションを伴っていないため、雑な印象が先行。なかなか刺さるような攻撃を繰り出すことができない。セットプレーでのウォード=プラウズのプレースキックを除けばあまりチャンスらしいチャンスは作れない展開だった。
フラムもそういった点ではウェストハムと同じく明確な崩しのメカニズムがあったわけではない。それでもこの日のフラムには相手を打ち破るパワーがあった。ゴールを決めたのはヒメネス。往年のボックス内の怖さを取り戻す一撃でフラムが前に出る。
ここから前節に続くフラムのゴールショー第二弾が開幕することとなる。まずはウィリアン。横断からウォード=プラウズの脇を取る形で手薄な右サイドにボールを運ぶと、これを仕留めてリードを2点に広げる。
前半の最後はセットプレー。アダラバイオがCKを仕留めてリードは3点に。先制点以降、ウェストハムのバックスの集中力の欠如は露骨。フラムの右サイドのユニットが躍動するのとは対照的に、淡白に失点を積み重ねてしまう。
後半、ウェストハムは3バックに移行しつつプレスを強化。5レーンを埋めるアプローチはわからなくもないが、人を多く置いたことで帰ってラインが乱れてしまうように。フラムはラインの表と裏を使い分けながらウェストハムの最終ラインをパスでもてあそぶような流れが続くことになる。
というわけで後半もペースを握ったのはフラム。4点目をウィルソンが仕留めるとこれでゲームは完全に終戦モード。どちらのチームも主力を下げるムーブを行い、結果を受け入れての幕引きを行うようになっていく。
フラムのゴールショーのトリを飾ったのはヴィニシウス。若いジョーカーが前節に続く圧巻の5ゴールの幕引きを担当することとなった。
堅守で鳴らすウェストハムに対して前節に続くゴールショーを繰り広げたフラム。2試合で10得点を挙げて上位に一気に迫る連勝を記録した。
ひとこと
フラムは得点を挙げてからの波の乗り方が見事。今一番のせたくないチームである。
試合結果
2023.12.10
プレミアリーグ 第16節
フラム 5-0 ウェストハム
クレイヴン・コテージ
【得点者】
FUL:22‘ ヒメネス, 31’ ウィリアン, 41’ アダラバイオ, 60‘ ウィルソン, 89’ ヴィニシウス
主審:ポール・ティアニー