最後の砦は膝
未勝利のトンネルを抜け出したトッテナムは連勝で巻き返しの気流に乗っている最中。対するはこちらも10ポイント減でお尻に火がついてからはかなり勢いがついているエバートンである。
立ち上がりはロングボールをベースにハイプレスを仕掛けてくるエバートンに対して、バックラインと中盤にサスペンションが出た影響で入れ替わりが発生したトッテナムがバタバタするスタートだった。しかしながら、徐々にポゼッションからのプレス回避でエバートンの押し下げに成功すると9分には先制点をゲット。右サイドを押し下げるサール→ジョンソンのパスから折り返しをリシャルリソンが仕留める。
この、ラインブレイクからフィニッシュまでの一連のつながりは非常にトッテナムらしい攻撃の形。直後のジョンソンのチャンスも加速からフィニッシュまでの間合いが先制点を似たものだった。
勢いに乗るトッテナムはセットプレーから追加点。右サイドのショートコーナーからワンツーで抜け出したジョンソンが今度はソンに折り返し。これをソンが仕留めて早い段階で2点のリードを奪う。
その後もしばらくはモノトーンな試合の流れ。エバートンは一度カウンターからスピードアップできそうな機会があったが、これを活かすことができず展開は変わらないままだ。
潮目が変わったのはその直後。35分くらいからだろうか。トッテナムのバックラインから中盤に対してエバートンのプレスがハマるようになる。それでも愚直に繋ぐトッテナムに対して、エバートンのハイプレスは面白いようにハマりシュート機会を量産。特に負傷でゲイェに代わって入ったアンドレ・ゴメスの柔らかさはいいアクセントになっていた。ヴィカーリオの落ち着きによりトッテナムは無失点で前半を凌いだが、少し前半の終盤はバタバタした内容となった。
後半もサイドの裏から攻撃を仕掛けていく両チーム。エバートンは後半の立ち上がりに遂にプレスで仕留めたかと思われたがこれは直前のボール奪取のところでアンドレ・ゴメスのファウルを取られて取り消し。トッテナムは不用意なビルドアップでのプレーのツケを払わずに済んだ。
試合はオープンで両チームの撃ち合いがだらっと続く展開。先のゴール取り消し以降はトッテナムの方が得点に近いながらが続いていると言える流れだった。
しかしながら前半と同じくトッテナムの左サイドからエバートンにハイプレスのきっかけを掴まれると、再びエバートンは押し返す。キャルバート=ルーウィンとベトの2人を並べた前線に躊躇なく放り込むと、82分にアンドレ・ゴメスがスーパーシュートを決めて1点差に迫る。
最後は左サイドからダンジュマが攻めの起点となり、ヴィカーリオを脅かし続けるが、膝でボールをかき出し劇的な同点ゴールはギリギリで回避。終盤は攻めの圧に苦しんだトッテナムだが序盤の2点のリードを活かしてなんとか逃げ切りに成功した。
ひとこと
立ち上がりに2点とっておいてよかったねだし、2点とっても全然試合をコントロールする気がないのはいかにもポステコグルー。
試合結果
2023.12.23
プレミアリーグ 第18節
トッテナム 2-1 エバートン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:9′ リシャルリソン, 18′ ソン
EVE:82’ ゴメス
主審:スチュアート・アットウェル