2試合連続の冷や汗逃げ切り劇
両チームの2024年のリーグ初戦はウェスト・ロンドン・ダービーでの開幕。ボールを持ったのはチェルシー。アンカーを管理してくるフラムの4-4-2の2トップに対して、カイセドの横に誰かを置く形で対抗。クロースのように最終ライン付近まで降りてくるエンソをメインに、ギャラガーやパルマーといった面々がアンカーのサポートに出てくる。
フラムはこのチェルシーのポゼッションに対してプレスに出ていけるかが高い位置でプレーできるかのポイント。パリーニャのボールハントが間に合う範囲であれば、高い位置からボールを奪ってのカウンターも視野に入る流れだった。ただし、CBの縦パスへの迎撃はリバプール戦に比べると処理が怪しく、チェルシーがチャンスを迎えることもしばしばだった。
ボールを奪うとフラムは左右のサイドから攻め込む。右サイドは大外に開くウィルソンを経由してペレイラのハーフスペースの裏抜けからチャンスメイク。左サイドはウィリアンをロビンソンが追い越す定番の形。27分の左サイドの連携からファーのウィルソンまでクロスが届いた瞬間が前半の最も大きなフラムの決定的なチャンスだった。ペドロヴィッチに止められたけども。
チェルシーはボール保持では苦戦。むしろ、即時奪回からのカウンターに出ていく方が得点の可能性を感じることができた前半だった。特にしんどそうだったのは左サイド。エンソは低い位置への意識が高く、コルウィルも攻め上がることができない。スターリングは1on1の形を作ってもチャンスに繋げることができない。パルマーが縦パスを引き出すために中央に顔を出し(外ではグストが上がる)ていた右サイドの方が可能性を感じる。
そんな右サイドにスターリングが顔を出したところからチェルシーは先制。縦パスを受けたスターリングをディオプが慌てて倒してしまいPKを献上。前半終了間際でチェルシーがリードを掴む。
後半は前半と陸続きの内容。バックラインからボールを繋ぐチェルシーに対して、フラムがそれを跳ね返す構図は後半も続いていく。左右に動くブロヤは右サイドのローテに入るなど、前半よりも行動範囲を広げた印象。ボールの預けどころとして地味ながらも機能していた。
トランジッションでもチェルシーは優位。ウィリアンのタックルをかわしながらカウンターに出ていくエンソ、積極的なタックルでカウンターの起点になったギャラガーなどは強度の面でチェルシーを支えていた。
フラムは攻撃に出ている場面でもカウンターを完結できずにさらにピンチを招いてしまう。ボックス内での守備の精度でなんとか踏ん張っている時間が続く。チェルシーは右サイドにマドゥエケを投入し、カウンターの起点として試合を仕留めにかかるが、なかなか決定打となる2点目を決めることができない。
流れが変わったのは72分のフラムのカウンター。チェルシーはうまく外に追い出すように守れたかと思われたが、逆サイドのヒメネスまで苦し紛れのクロスが届いたところから流れが変化。これ以降、ウィリアン、ペレイラ、ヒメネスの3枚からカウンターでチャンス構築ができるように。
ここからフラムが主導権を握る終盤戦に。パリーニャに代わって入ったルキッチが試合に入れなかったのは残念だったが、ボックス内の空中戦を中心にチェルシーを脅かすことに。
ルートン戦に続き1点リードを冷や汗をかきながら守る展開になったチェルシー。しかしながら、この修羅場を凌ぎきりなんとか連勝を達成した。
ひとこと
終盤でカウンターの精度が上がるフラムのベテラン勢、ちょっと意味がわからなかった。
試合結果
2024.1.13
プレミアリーグ 第21節
チェルシー 1-0 フラム
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:45+4′(PK) パルマー
主審:アンソニー・テイラー