■後半頭の追い打ちでグループAの未来を決める
グループ2位のリバプールと3位のアヤックスの勝ち点差は6。この試合で直接対決での成績を上回る2点差での勝利を手にすれば、リバプール×ナポリの結果次第ではアヤックスはノックアウトラウンドの進出への道が見えてくる。
アヤックスはブロックを組む時はアルバレスが最終ラインに落ちての5バック気味のシフト。プレスに出る時はオールコートマンツーと非常にメリハリのあるプランだった。
アヤックスのハイプレスに対して、リバプールは前線3枚の特性を生かした前進を狙っていく。相手を背負うことができるサラー、裏を狙っていくヌニェス、そしてライン間に落ちてくるフィルミーノと起用された3人のFW陣はポジションよりも役割でタスクを分け合っていた印象だ。
一方のアヤックスの保持に対しては、リバプールは無理に前線からスイッチを入れることはしない。彼らの保持に対してスイッチを入れるのはIH。同サイドに閉じ込められる！という手応えがあった時点でヘンダーソンとエリオットが一気に相手を追いかけて、全体のプレスを誘導する。
アヤックスはこちらも無理せずに前線に。トップのプロピーのポストはリバプールのDF相手に背負うことができていたし、ライン間にはベルハイスが君臨。少しの隙があれば前線にボールを送り込むことができた。右サイドに流れながらサンチェスやタディッチと連携しながらチャンスメイクする。リバプールはアヤックスに比べると、中盤でのロストが多かったため、トランジッションの局面でこうしたチャンスは時たま訪れた。
しかし、オーバーラップしたサンチェスの裏はリバプールの狙い目。先制点はサラー。左サイド側でターンしたヘンダーソンはラストパスまでお見事。彼はたまにこのようにキャラにはない上手いことをやってのけるので驚かされる。
リードを奪われた後半、アヤックスはなんとか反撃したいところだが、リバプールがそれを許さない。高い位置からのチェイシングは欠かすことなく、アヤックスを自陣から脱出させないアプローチで閉じ込める。
押し込んだフェーズから追加点をゲットしたリバプール。CKからヌニェスが得点を決めてリードを広げる。ヌニェスはこの試合で大きなチャンスを逃していたので、本人にとっては大きなゴールと言えるだろう。
さらにリバプールは3点目をゲット。降りてくるサラーと入れ替わるように、ハーフスペースに裏抜けしたエリオットがパスを引き出すと、角度のないところから難易度の高いシュートを決めてみせた。
実質、この後半頭の畳み掛けで試合は決着したと言っていいだろう。ここからは試合はだいぶトーンダウン。アヤックスもリバプールもグループAの結末を受け入れたかのように展開は静かになった。
プレミアでは苦戦が続くリバプールだが、CLでは立て直しに成功。グループステージ通過を決定する勝利をアムステルダムで挙げてみせた。
試合結果
2022.10.26
UEFAチャンピオンズリーグ
Group A 第5節
アヤックス 0-3 リバプール
アムステルダム・アレナ
【得点者】
LIV:42′ サラー, 49′ ヌニェス, 52′ エリオット
主審:サンチェス・マルティネス