Fixture
プレミアリーグ 第20節
2022.2.24
アーセナル(6位/13勝3分7敗/勝ち点42/得点36 失点26)
×
ウォルバーハンプトン(7位/12勝4分8敗/勝ち点40/得点23 失点18)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
直近10試合の対戦でアーセナルの4勝、ウルブスの3勝、引き分けが3つ。
アーセナルホームでの対戦
直近10試合の対戦はアーセナルの6勝、ウルブスの1勝、引き分けが3つ。
Head-to-head from BBC sport
スカッド情報
【Arsenal】
・ガブリエル・マルティネッリは1試合の出場停止から復帰。
・冨安健洋にはふくらはぎの負傷から復帰の可能性。
【Wolverhampton】
・ラウール・ヒメネスにとってはエミレーツでの復帰戦。
・ウィリー・ボリー、イェーソン・モスケラはフルトレーニングを再開。
Match facts from BBC sport
【Arsenal】
【Wolverhampton】
予想スタメン
展望
■奥行きがとれる意味
2/10の前回の対戦ではアーセナルがセットプレーで先手をとり、退場者を出しながらも逃げ切ることができた。試合後にネベスは『まるで優勝したかのように喜んでいた』とアーセナルの面々を皮肉っていたが、2022年に勝てなかったアーセナルにとってはそれだけ苦しんだ掴んだ貴重な勝利ということである。
退場者を出して10人になったことを差し引いてもウルブスにはかなり手を焼いていた印象。その理由の一つはアーセナルのボール保持の振る舞いにある。主にラカゼットとウーデゴールの2人が手前でボールを受けたがってしまうことが大きかった。
これにより、ウルブスのバックラインはコンパクトに最終ラインを維持することが非常に簡単だった。アーセナルの前線はライン間で潰されてしまい、ウルブスに楽に守らせてしまった。
アーセナルがライン間を広げて活用するためには、裏へのオフザボールの動きを増やす必要がある。前回のウルブスとの対戦の直後の試合となったブレントフォードとの一戦では、大外に張るサカを軸にウーデゴール、セドリックが裏に走りながら奥行きを出す。ラカゼットもゴール奥側への意識が強まり、前回のウルブス戦で見えた課題を解消して見せたと言っても良いだろう。
フリーランで奥行きをもたら動きが効いている部分は先に指摘したライン間を広げるという副次的な効果に加えて、直接的にラインの裏から攻めることができるというメリットもある。実際、ウルブスはレスター戦でCBの裏を取られる形で失点をしている。
CBの裏を狙う動きはWBをサカでポイントを作って自由に動かせるアーセナルにとってはそこまでハードルが高いことではないだろう。オルブライトンが裏を取る動きを披露したように、アーセナルはこの試合でも大外からのフリーランでエリア内にラストパスのスペースを作り出したいところである。
■保持の精度を上げることで守りの機会を減らす
前回のアーセナルとの対戦では、ウルブスは5-4-1の形でのフォーメーションを組んではいたが、前節のレスター戦では5-3-2を採用している。今季、どちらの形も併用しながら進めているので、どちらをスタートに持ってくるかは想像がつかない。
5-3-2でかかってくるならば、アーセナルにとっては前節のブレントフォード戦では同じ形である。前節のアーセナルはスムーズにこの5-3-2のブロック攻略をやってみせた。攻撃がうまくいった理由は奥行きを使えたことに加えて、横に攻撃をうまく振ることができたことによるところが大きい。
横に相手を振ることで、3センターのスライドを上回り攻撃ができていること。逆サイドでも大外、ハーフスペース、手前のスペースの三角形の関係を維持することができているのならば、スライドを上回ることができると数的優位で攻めることができる。
ウルブスもブレントフォードと同じく、3センターが左右のスライドを行いながらブロック守備を組むチーム。おそらく、この左右へのスライド強要はウルブスにも効くはずだ。
ウルブスは3センターを採用するときには割と左右で守備の意識が異なることが特徴である。右のデンドンケルは相手のSBまでプレッシャーをかけに出ていくことが多いが。左のモウチーニョはそこまで出て行かない。なので、右のSBの選手にとっては時間をもらえる可能性は高い。サイドで作った時間を前に送れるかどうかは重要なポイントになる。
逆にデンドンケルやセメドのいる右サイドは素早い攻め上がりに警戒したいところ。彼ら2人は非常に出足がいい。他の選手で特に調子がいいのはポデンス。ライン間での反転はキレキレ。自らのシュート、そしてドリブルや逆サイドへの展開など、チャンスメイクからフィニッシュまで幅広い範囲で活躍ができる。
ウルブスには幅を使われるとアーセナルにとって苦しい。前回の対戦ですでにわかっていることと思うが、PA内に人数をかけたウルブスのクロスに対応することは非常に怖い。
なので、アーセナルとしてはそもそもウルブスから攻撃の機会を取り上げること。そのためには保持できっちり押し込んで、ウルブスからアーセナルのゴールを遠ざけることが重要となる。つまり、自分達の攻撃を研ぎ澄ませることで、相手の攻撃の機会を制御するイメージである。
ブレントフォード戦の後半のように、早い段階でオープンに打ち合うスペースを与えてしまうとピンチに陥る可能性は高い。一つの局面の質を上げることで、別の局面の機会を抑制し、コントロールする。昨年のダブルのリベンジを達成するための鍵はここにあるとみる。