久保へのダブルチームの活用法が見いだせず
CLのノックアウトウンドに見事に進出を決めたソシエダ。今節はホームでベティスとの一戦。何とかリーグと並行する体力を維持できるかの戦いということになる。
ボールを持つ機会が多いのはホームのソシエダ。GKを使ってのポゼッションからまずはベティスの2トップの誘導を外すところからスタートをする。サイドを変えながら薄いところを作る意識は敵陣に入ってからも多く、同サイドに多くの選手をかき集めるよりは左右に揺さぶりながら、広いスペースで勝負をしたいという意識が見えた。
だが、ボックスの中の仕上げのところは難があり。CHの最終ラインに落ちるアクションやSHが列を下げて守るなど、きっちりと枚数を揃えるベティスに対して、なかなかゴールに迫ることができずに最後のところを攻めあぐねているのがソシエダだった。
一方のベティスも保持側に回ればポゼッションをベースとするスキームで勝負。CHの片方と両CB、GKを揃えた形でのひし形でのビルドアップを行う。
ベティスはソシエダよりも縦に進む意識が強く、ウィリアン・ジョゼのポストから深さを作り、そのまま流れるように即時奪回に移行するなど、ソシエダに対して奇襲を行う場面も出てくるようになる。
逆に言えばそうした強襲以外はあまりチャンスにならなかったということでもある。保持側のチームのゆったりとしたポゼッションをキープするが、非保持側がボックス内では体を張り、保持側のチームにチャンスを与えなかった。
ソシエダがようやくチャンスにたどり着いたのは40分を過ぎたあたり。右サイドのトラオレが少しずつ突破の兆しを見せていく。ここからたくさんネットを許すが、ソシエダにはゴールというツキだけは残らず。多くの場面がオフサイドでつぶれる格好となった。特にオヤルサバルがネットを揺らしたシーンはとてもきれいだった。
後半もボールを持つのはソシエダ。ゆったりとしたボール運びでソシエダを押し込み、オヤルサバルがあわやというFKを蹴るなどあわやという場面まではいくが、その先が続いていかないのは前半と同じ流れである。
ブロック守備を構築する際には5バック気味のベティスに対して崩し切ることができないソシエダ。特に目立ったのは右サイドで久保が2枚を引き付けることができるにも関わらず、周りの選手がそれを生かすことなく放置してしまっている点。2枚ぶち抜けるのであればそれでもいいが、久保に2枚が向かっている状況を周りが利用する方がより攻略には近かったように思う。
むしろ、そうした状況に陥らないカウンターの方が得点のチャンスはありそう。だが、サディクのコントロールが拙く貴重な機会を生かすことができない。
ただし、ベティスの反撃もディアオのカウンターなど単発止まり。互いに決め手を欠いた一戦はスコアレスドローで幕を閉じた。
ひとこと
久保のダブルチームを生かす方向性はぜひとも見つけてほしい感。
試合結果
2023.12.17
ラ・リーガ
第17節
レアル・ソシエダ 0-0 レアル・ベティス
エスタディオ・アノエタ
主審:ブスケッツ・フェルレル