押し込み続けたバルセロナが最後の最後に初陣を飾る
2024年のバルセロナの初陣はグラン・カナリアからスタート。堅実な戦いを続けているラス・パルマスはバルセロナにとっても難敵である。
ボールを持つ側になったのはアウェイのバルセロナ。アンカーに入ったギュンドアンをデ・ヨングがサポートする形で立ち位置を取る。ラス・パルマスの守備は非常にナローなのが特徴。IHの2枚がギュンドアンとデ・ヨングを捕まえて、SHはハーフスペースを埋められるような絞り方でバルセロナを迎え撃つ。
というわけでバルセロナはただただインサイドにパスをつけてもカットされてしまう状況。ギュンドアン、デ・ヨングは深さを作りながら相手のIHを手前側に引き出すことで中盤中央に穴を開けていく動きを見せる。
この中央の空洞化と手薄なサイドからのキャリーを組み合わせれば敵陣までスムーズに運ぶことができる。電車道になることが多い大外レーンとIHが引き出されたラス・パルマスの中盤を組み合わせれば、横断してからの加速というパターンは鉄板。11分のシーンのようにスムーズに横断を決めることができる。
ラス・パルマスは保持に回った際には左サイドからポゼッション。ロドリゲスが少し落ちる形でSBとWGと連携しながら前進をしていく。サイドに枚数をかけて崩す隙を探していくのだが、クロスというよりもインサイドに差し込む形で楔を入れるのがアクセントになっているのは興味深かった。
先制したのはラス・パルマス。セットプレーからの二次攻撃を仕留める。縦パスを引き出したムニョスから右に流れるラミレスがラインを押し下げて、最後はエル・ハダディ。ラインブレイクからフィニッシュまでがきっちりリンクしたゴールとなった。
バルセロナとしてはラインを上げたタイミングであっさりとムニョスに縦パスを出されたのが痛恨。ラインを上げてもコースを消し切れないというのはいかにも今のバルセロナっぽい。
後半も保持から押し込むフェーズを続けるバルセロナ。手薄なサイドに横断、もしくは追い越す形でのオーバーラップなどからラス・パルマスのバックスを押し下げていく。
反撃のきっかけがないラス・パルマスを一方的に押し込んでいくバルセロナはセットプレーから同点。ラス・パルマスはクリアをレヴァンドフスキに当ててしまい、自陣からボールを掻き出すことができなかった。
互いに前線を交代でリフレッシュしてもバルセロナ優位の展開は変わらず。押し込む状況は最後に結実。シンクフラーフェンのプッシングでのファウルでバルセロナがPKを獲得する。
このキックを決め切ったのはギュンドアン。グラン・カナリアを制圧に最後の最後で成功したバルセロナ。2024年の初陣を勝利で飾った。
ひとこと
押し込み続けるフェーズに負荷がかからなかったことが最後に結果に結びついた感がある。
試合結果
2024.1.4
ラ・リーガ
第19節
ラス・パルマス 1-2 バルセロナ
エスタディオ・グラン・カナリア
【得点者】
LAS:12‘ エル・ハダディ
BAR:55’ トーレス, 90+3‘(PK) ギュンドアン
主審:ゴンサレス・フェルタス