最後は主導権も取り戻す
立ち上がりから自由にボールを持つことができたラツィオ。エンポリの非保持は4-3-1-2のようにも見えるし、4-2-3-1のように見える。トップのプレスの位置が低く、両サイドのSHが相手のバックスにプレスにいく位置が高かったためどういう布陣かは少し見にくかった。
ラツィオの保持に対する作戦として効いていたかは微妙なところ。SBの位置をケアする選手がいないこと、そしてそこをケアしようとすると今度はライン間のスペースが空いてしまうなど、かなり防ぎたいところに穴を開けてしまい後手に回っていた。
ラツィオは素早くこのギャップをつくことで先制点をゲット。最終ラインにできたギャップにゲンドゥージが飛び込み、先制ゴールを奪う。
得点以降も一方的に攻め立てることができていたラツィオ。一方的に押し込みながらエンポリを圧倒していく。
しかしながら、インモービレとルイス・アルベルトが負傷交代をするなど、徐々にラツィオに暗雲が立ち込めるように。すると、右サイドのカンチェッリエーリを軸にエンポリは反撃を開始。ドリブルでのサイドの押し下げや、セットプレーなどあらゆる面からラツィオを押し返すように。30分から少しずつカウンターでのスピードアップが刺さるようになり、明らかにラツィオの火保持の場面が増えたように見えた。
ボックス内の時間が増えたラツィオ。なんとか踏ん張り切り、リードでハーフタイムを迎えた。
前半の終盤と同じく後半もペースを握ったのはエンポリ。カウンターからチャンスを作り、早速アンカーのロヴェッラにカードを出させることに成功する。
その後もサイドから押し下げることに成功したエンポリ。ラツィオはプロヴェデルによって救われるシーンが続くようになる。エンポリはプレスの同サイドへの圧縮も効いており、ラツィオはカウンターの道筋もなかなか見えない状態だった。
この流れが変わったのは67分に発動したカウンター。圧倒的に有利な数的優位を作り出し、3回ほど粘りながらゴールに叩き込んだザッカーニがやりきり追加点を奪い取った。
このカウンター成立で試合の流れは大きく変わる。エンポリが押し込むというフェーズ自体はあまり変わらないものの、攻め切れる場面は減り、逆にカウンターからラツィオが攻撃を刺すシーンが増えるようになった。運びきれなかった鎌田、押し込めなかったカステジャーノスなどの精度が高ければ、さらに追加点を奪っていてもおかしくはなかった。
それでも2点のリード上がれば逃げ切りには十分。勝利だけでなく、主導権まできっちり取り返したラツィオが3ポイントを手にした。
ひとこと
押し込む時間が長かっただけにエンポリは一つでも決めていれば。そういう意味ではプロヴェデルが果たした役割は大きかった。
試合結果
2023.12.22
セリエA
第17節
エンポリ 0-2 ラツィオ
スタディオ・カルロ・カステラーニ
【得点者】
LAZ:9′ ゲンドゥージ, 67′ ザッカーニ
主審:マッテオ・マルケッティ