ゴールラッシュの時間を制したナポリ
試合はホームのナポリの保持がメインでスタート。プレッシャーを受けないCBからの組み立てで前進を狙う。カリアリは2トップを軸にサイドにナポリのボールを誘導して袋小路に。こうした守備のスマートさはいかにもセリエAという感じである。
ナポリの攻撃は右サイドがメイン。内から外への逃げるようなランとハーフスペース付近の裏抜けでカリアリのインサイドを開けて勝負。ディ・ロレンツォなどの外から内へのラインからブロックに突撃する形を作っていた。
ナポリの保持の雲行きが読みにくいのはハーフスペースへのランをフリではなくそのまま使うことがあること。右サイドの崩しは多彩。絶えずホルダーに対してオフザボールで周りがサポートを行っていたのが印象的だった。
左サイドは右に比べると力技。SBのナタンが持つとやや停滞気味ではあったが、降りてくるクヴァラツヘリアの強引なターンからの仕掛けは流石の一言。ファウルをもぎ取ってくる姿勢は紛れもなく崩しの切り札である。
逆サイドからのクロスにもきっちりと飛び込むなどストライカータスクもきっちりこなしたクヴァラツヘリア。しかしながら、カリアリのボックス内での守備の強度も上々でナポリのクロスのターゲットを決してオープンにしない。
2トップを軸にロングカウンターを組んだカリアリ。だが、42分のナンデスの抜け出しを除けばクリーンなチャンスは作れずに苦戦。ナポリに押し下げられるシーンが目立つ前半となった。
後半にいい入りをしたのはカリアリ。前線に蹴ったロングボールの流れから即時奪回に成功し、一気に攻めきりにいく。前半よりもカリアリは明らかにチャンスがありそうな後半の立ち上がりであった。
しかしながら、ナポリは60分手前にはボール保持で展開を落ち着ける。ロボツカが列落ちなど少しずつ動きを増やしながらフリーになっていたのが印象的であった。
そうした中で先行したのはナポリ。左サイドからのクロスをオシムヘンが仕留めて先行する。しかしながら、すぐに反撃に出たカリアリ。左サイドでのルヴンボの突破からのクロスをパヴォレッティが決めてあっという間に同点に追いつく。先制点からわずか3分のことである。
さらに3分後に試合は決着。ボックス内で粘り切ったオシムヘンがキープして左サイドに展開すると、走り込んだクヴァラツヘリアのゴールで決勝点を仕留める。前半からボールを持つ機会が多かったナポリがボックス内での攻略法を見出して後半に2得点。ゴールラッシュの時間を制してホームで勝ち点3を積み上げた。
ひとこと
オシムヘンとクヴァラツヘリアという2人のエースの強力さが浮き彫りになる90分だった。
試合結果
2023.12.16
セリエA
第16節
ナポリ 2-1 カリアリ
スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ
【得点者】
NAP:69′ オシムヘン, 75′ クヴァラツヘリア
CAG:72′ パヴォレッティ
主審:マッテオ・マルカネッロ