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「Catch up UEFA Champions League」~2022.11.1 UEFAチャンピオンズリーグ グループD 第6節 マルセイユ×トッテナム~

■ホイビュアのトドメで大乱戦のグループDを制する

 群雄割拠のグループDは最終節まで全チームが自力突破の可能性を残すというCL史上稀に見る大混戦となった。どちらの会場においても勝ち上がれるのは1チームのみ。まさにサバイバルの最終節となった。

 最も有利だったのは5節の終了時点で1位だったトッテナム。マルセイユに引き分ければ自力で突破が確定する。そういうこともあり、トッテナムはいつも以上に慎重だった。いつもだったら試合開始直後にトライする高い位置からのプレスもこの日は封印。マルセイユにボールを持たせながら撤退守備を優先し、ボールを持たずに引きこもる。

 トッテナムのやり方はとても極端だった。ボールホルダーを捕まえるのも無頓着で、ズルズルと下がることもしばしば。トッテナムとマルセイユのフォーメーションが同じなのは守る側にとってはやりやすいはずだが、マルセイユが保持において積極的にズレを作っていたことにより、あまりミラーフォーメーションで受ける形は有効ではなかった。

 一方のマルセイユもスムーズに試合を運べたわけではない。ズレを作ってボールを運ぶことができるが、敵陣深くまで運んだところでどうしても打開策を見つけることができない。やや裏への動きが少ないのが重石になっている感じ。クリティカルに刺さらないフィニッシュが多く、苦戦している印象だ。

 効果的だったのは左の大外からのタバレスのクロス。インサイドでこれに合わせるのを狙うのがゲンドゥージというアーセナルのホットラインでトッテナムに迎撃するというのはなかなか趣深いものがあった。

 前半終了間際。マルセイユの執念はセットプレーで結実する。コーナーキックからゴールを決めたのはムベンバ。オープンプレーでこじ開けられなかったゴールをなんとかセットプレーでもぎ取った。

 焦ったのはトッテナムだ。この日のトッテナムはいつもと違ってロングカウンターでも爪痕を残すことができていない。その上、前半の途中ではソンが負傷退場。ビスマを入れて5-3-2と後ろが重いフォーメーションを再構築することを半ば強いられた形。その矢先の同点である。

 保持ではボールを持てるようになったが、前に人を送り込むことができない。後半になるとベンタンクールが前線に飛び出すようになるが、点と点を結ぶような綱渡りのチャンスメイクに終始。頼みのケインもマルセイユの徹底マークに遭ってしまい、流れの中からチャンスを作ることができない。

 それでもケインのファウルからチャンスを得たトッテナム。セットプレーからラングレが同点ゴールを決める。マルセイユはCKにおいてもケインに2人引っ張られる形になってしまったのが痛恨だった。

 今度は追い込まれたのはマルセイユ。なかなか打開策を見つけられなかったため、アタッカーを増員し、ゲンドゥージのポジションを下げるなど攻撃的な布陣に。サンチェス、コラシナツなど元アーセナル勢がそれぞれ決定機を迎えるが、これをモノにすることができない。

 トッテナムもチャンスを作りながら仕留め切ることができず、最後まで冷や汗をかく展開になった。それでも最後はホイビュアが決めてゲームをクローズ。ヴェロドロームを黙らせる一撃でトッテナムは決勝トーナメント進出が決定。乱戦のグループDで首位通過を果たすことに成功した。

試合結果
2022.11.1
UEFAチャンピオンズリーグ
Group D 第6節
マルセイユ 1-2 トッテナム
スタッド・ヴェロドローム
【得点者】
OM:45+2′ ムベンバ
TOT:54′ ラングレ, 90+5′ ホイビュア
主審:シモン・マルチニャク

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