Fixture
プレミアリーグ 第17節
2021.12.15
アーセナル(6位/8勝2分6敗/勝ち点26/得点21 失点22)
×
ウェストハム(4位/8勝4分4敗/勝ち点28/得点28 失点19)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
直近10試合の対戦でアーセナルの7勝、ウェストハムの1勝、引き分けが2つ。
アーセナルホームでの対戦
直近10試合の対戦はアーセナルの9勝、ウェストハムの1勝。
Head-to-head from BBC sport
・直近11試合のリーグのホームのウェストハム戦でアーセナルは10勝。
・公式戦の直近28試合のエミレーツ遠征でウェストハムは2勝のみ。
・ウェストハムはアーセナルにプレミアで32敗しており、単一相手への敗戦数のクラブレコード。
スカッド情報
【Arsenal】
・規律違反でキャプテンを剥奪されたピエール=エメリク・オーバメヤンはスカッド外に。
・ベルント・レノ、セアド・コラシナツは引き続き欠場。
【Westham】
・アーロン・クレスウェルは復帰の見込み。
・Covid-19の陽性反応者はいない。
Match facts from BBC sport
【Arsenal】
・直近7試合のホームのリーグ戦で無敗で4連勝中。アルテタ政権下でエミレーツで5連勝を記録したことはない。
・2017年5月以来のホームでのリーグ戦クリーンシートでの4連勝でのチャンス。当時の4連勝目はデビッド・モイーズ率いるサンダーランドだった。
・水曜のホームでのリーグ戦は直近36試合で2敗のみ。うち1敗は2006年2月にウェストハムと対戦した時のもの。
・今季のロンドンダービー4試合で2敗(W1,D1)。昨シーズンは年間で1敗だった。
・アレクサンドル・ラカゼットはウェストハム相手に最多タイの5得点を決めており、直近3試合は全て得点をしている。
【Westham】
・4連勝以降のリーグ戦5試合で1勝のみ。
・しかし、プレミアにおいて16試合で28ポイントはクラブレコードタイ。
・直近8試合のミッドウィークのリーグ戦で無敗。
・2019年1月以来のロンドンダービー3連勝のチャンス。当時の3勝目はアーセナル戦だった。
・しかし、モイーズは17試合のアーセナルホームの試合で未勝利。監督の同一相手への未勝利記録としてはプレミア最長。
・モイーズはアーセン・ヴェンゲル、アレックス・ファーガソン、ハリー・レドナップに続きプレミア600試合目の指揮をとる4人目の監督になる。
・2021年のプレミアにおいてマイケル・アントニオよりも多くの得点(13G,9A)に関与しているのはモハメド・サラーのみ。
予想スタメン
展望
■サイドに流れてもバイタルは空かない
順位は現在4位。CL出場権確保が十分視野に入る立ち位置で12月を迎えることが出来たウェストハム。躍進した昨シーズンからはレンタルバックになったリンガードを除けば、軒並み主力は残留。粘り強く守ることを求められるスタイルはおそらくかなりエネルギーを使うもののように見えるが、躍進2年目となる今シーズンも堅実なスタイルで勝ち点を積み上げている。
質実剛健なスタイルは目新しさこそないため、話題にはなりにくいが、このスタイルで引き続きチームを引き上げているモイーズの手腕はやはり確かなものといっていいだろう。内容を見ても順位に偽りがないことはよくわかる。
ウェストハムとの試合で目につくのはローラインの守備が非常に明瞭に整備されているという点である。ウェストハムのように4バックで守るチームが真っ先に直面するテーマといえば、5レーン的な攻撃に対してどう守るかである。例えば、ベルナルド・シウバの十八番だったりするニアのハーフスペースの裏抜け。アーセナルが先日フレッジに苦しめられたやつである。
ここはウェストハムは両CHがそのままニアのハーフスペースに入ることでカバーする。そうするとバイタルが空くのでは?という声がアーセナルファンから聞こえてきそうである。実際にアーセナルはトーマスが最終ラインのカバーに入った時に、バイタルが空くケースが頻発している。
これを防いでいるのが同サイドのSH。CHが出ていったスペースを斜め方向後方にスライドして内側を埋めることで素早いサイドチェンジの阻害とバイタルのケアを両立する。5-3のような形に変形しつつサイドのケアに人数を回す。
ウェストハムが素晴らしいのは決してローライン一辺倒にならないこと。ソーチェクやライスは最終ラインのカバーリングもこなす一方で敵陣前からのプレスもできる人材。仮に、自陣に押し込まれたとしてもボールサイドと逆側にいれば中盤に戻ることでラインを回復させている。
よく、ボールを捨ててローラインの守備をするアーセナルにとってもこの中盤の守備の部分は見習いたい部分であるだろう。ウェストハムは十分にローブロック守備のモデルケースとして機能するレベルである。
自陣の深い位置に押し込まれ続けたとしても得点が望めるのが彼らの強みでもある。アントニオをはじめ、2列目のボーウェン、ベンラーマ、フォルナルスらは絶好調を維持。彼らのスピードと馬力で低いラインで構えたところからも敵陣のゴールを狙うことが出来る。失点が10点台に抑えながら、得点が20点台なのはウェストハムだけ。ちなみに上位3チームは30点以上取っている。
遅攻においてはライスがサイドに流れたり、ソーチェクがエリア内に侵入したりなど、ここでもCHが+1の精神を発揮している。相手からすると厄介この上ない。攻守にプラスアルファをもたらせる中盤が彼らをワンランク上のチームに引き上げている。
■チャンスデーなら前進は容易だが…
というわけで弱点が少ない難しい相手との対戦になるアーセナル。一番防ぐ手立てがないのが明らかにロングカウンター。高い位置で止めるという意識はもちろん、アントニオは取り囲みながら対応したい。
ウェストハムは彼がつぶれたとしても2列目のアタッカーが前を向くことさえできれば十分にカウンターを成立させることができる。したがって、アントニオは2人以上で取り囲みながらポストでボールを落とすことすら許したくないところである。
アーセナルの保持の局面ではやはりサイドからの崩しを狙うことになるだろう。とはいえ、すでに述べたようにサイドにはCHのサポートが入る上にSHのカバーリングもさえているので、一気に陥れるのは現実的ではない。サイドを変えながらエラーが出るのを狙いつつ、一気にラインブレイクする動きに合わせて縦に抜けるのが理想だ。
トーマスとジャカの縦パスが前節キレていたのは朗報である。ただ、縦にパスを入れるということは一歩間違えればカウンターのピンチを呼ぶということでもある。どこまでリスクを取るかの判断は非常にシビアである。
サイドからのクロスに関しては高さもあるチームなのでスペースに入り込む動きを駆使したい。好調のウーデゴールはサイドからのクロスに入り込む動きという才能をここに来て見せつけている。どんな相手でも効く嗅覚だけにサイドからのクロスは彼が入り込める位置を狙いたいところだ。
あとはウェストハムがプレスに出る際にワンテンポ遅れてダラっと人を前から捕まえに来る日が時たまあるので、そういう日ならば大チャンス。ライン間にパスを入れるだけで自動的に進める日が本当にたまにある。直近でいえばチェルシー戦の前半とかはそんな感じだったし、昨年のアーセナルと戦った試合もそんな感じだった気がする。なので、そういう日をツモれることを願いたい。
1対1でやれる部分があるとしたらクレスウェルが復帰となりそうな左サイド側か。コンディションが怪しければおそらく多少はサカが優勢になるだろう。冨安と共に前節先制点を奪ったアーセナルの右サイドで堅い守備に風穴を空けるきっかけをみつけたいところだ。