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「早くもやってきた追試」~2021.12.6 プレミアリーグ 第15節 エバートン×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第15節
2021.12.6
エバートン(14位/4勝3分7敗/勝ち点15/得点17 失点24)
×
アーセナル(5位/7勝2分5敗/勝ち点23/得点17 失点20)
@グディソン・パーク

戦績

過去の対戦成績

図1

 過去10回の対戦でエバートンの4勝、アーセナルの5勝、引き分けが1つ。

グディソン・パークでの対戦成績

図2

 過去10戦でエバートンの4勝、アーセナルの3勝、引き分けが3つ。

Head-to-head from BBC sport

・エバートンが勝てば1986年以来のプレミアリーグのアーセナル戦3連勝になる。
・アーセナルは3試合連続グディソン・パークでのリーグ戦で勝ちなし。1994年以来最も長いラン。
・アーセナルはエバートン相手に111得点と同一クラブ相手への最多得点。またアーセナルはエバートン戦で98勝を挙げており、トップリーグにおける同一相手への勝利数として最多。

スカッド情報

【Everton】

・ジェリー・ミナは10月2日以来の復帰の可能性。
・サロモン・ロンドンはハムストリングのスキャンの必要性があるが、マーソン・ホルゲイトは出場停止が明けて起用可能に。

【Arsenal】

・ブカヨ・サカは先発復帰の見込み。
・グラニト・ジャカとセアド・コラシナツは引き続き離脱中。
(アーセナル公式の情報によるとエミール・スミス・ロウとベルント・レノも当日判断の見込み)

Match facts from BBC sport

Everton

・1994年以来の9試合勝ちなしの可能性。
・直近8試合のリーグ戦未勝利は5得点、17失点。
・直近8試合で勝ち点2は同期間内のプレミアのリーグで最少。
・プレミアで400敗した最初のクラブ。
・2021年のホームでのリーグ戦10敗はプレミアクラブで最多。トップリーグにおけるクラブレコードでもある。
・ラファエル・ベニテスはプレミアのアーセナル戦で27失点を喫しており、最も失点数が多い相手。

【Arsenal】

・直近3試合のリーグ戦で2敗、7失点を喫している。それ以前の8戦無敗では4失点のみだった。
・2019年2月以来のアウェイゲーム3連敗の可能性。
・今季7試合のリーグでのアウェイゲームで無得点が4回。昨季年間の無得点試合と既に並んでいる。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンは9試合の月曜開催のプレミアで8得点を挙げている。
・しかし、オーバメヤンは直近8試合のプレミアでのアウェイゲームで得点を挙げることができていない。

予想スタメン

画像3

展望

■過激なオープン志向を支える存在

 今季、非常に厳しい戦いを強いられているエバートン。今節開始前の段階での順位は14位と徐々にボトムハーフに潜ってしまっている。おそらくチーム的には昨シーズンがかなり勝負に出た年だったはず。アンティロッティにハメス、ドゥクレ、アラン、ゴドフリーなど大型補強を与えた年である。しかし、欧州カップ戦の出場権には届かず目標の達成には至らなかった。

 目標に向けて背伸びした投資をしたものの、目標には到達しなかった。そんな難しい状況に陥った今オフはアンチェロッティがマドリードに旅立ち、マージーサイドに装いを変えて帰還したベニテスがエバートンの監督に就任する。ハメスこそカタールに移籍したが、リシャルリソンやキャルバート=ルーウィンは残留。戦力としてはなんとかキープを図った形である。

 ベニテスのエバートンのトレードマークはなんと言ってもドゥクレである。展開はオープンであることを好み、速い攻撃が殴り勝つのが理想。アタッカー人は速い攻撃を完結させるのが得意な選手が揃っており、彼らの得意なパターンを活かす形で攻撃を進めていく。

 それを後方支援できるのがドゥクレである。速い攻撃になっても前線に追いつくことができる脚力を有しており、陣形が間延びしやすい展開でも広い守備範囲をカバーできる。彼の存在はエバートンの根本のスタイルを支えることができる。

 アランと共に走り回りながらなんとかこのシステムをギリギリ維持させていたドゥクレ。そもそも許容するオープンさがあまりにも過激であり、ギリギリ支えられるドゥクレが怪我でいなかった時期にめっきり勝てなくなったのは偶然ではないだろう。

 得意な殴り合いを支えられるダイナモの復帰はチームのスタイルを維持する助けになっている。殴り合いに関しては欧州屈指のリバプール戦では流石に分が悪かったが、ブレントフォード戦では遅攻の拙さを見せただけに、彼の復帰は大きい。

 1人でできそうに見えてそうでもないリシャルリソンや、トップ下でからっきしだったイウォビなどはかなり生かし方は難しい。そして、撤退守備をクロスで壊しまくっていたキャルバート=ルーウィンはなかなか復帰に至らない。となるとロンドンへの放り込みでいいじゃないか!と思っても不思議ではないだろう。

 速い攻撃の中でイキイキしているのは新加入のグレイ。ボール運びからフィニッシュまで幅広い活躍を見せることができて、1人で攻撃を完結させることができる存在である。冨安にとってはサンチョに続いてカロリーが高い相手とのマッチアップが予想される。

■属人的なCHを助けるために

 アーセナルからするとオールド・トラフォードの追試ということになる。守る時に気をつけるべきはドゥクレの存在。定点での攻撃にプラスアルファを上乗せできるドゥクレの動きは、つい先日苦しめられたフレッジと似た働きをこなすことができる。エバートンがどこまで設計しているかはわからないが、アーセナルの守備陣が届かない位置に走り込むことができる存在である。

 エバートンは守備においても積極的なプレスは行うが、特に前線が献身的なわけではなく前からの誘導がうまいわけではない。サイドの選手がずれた時に中央の選手がサイドに出てくる頻度はユナイテッドの比ではなく、CBがサイドまで出ていくことも珍しいことではない。

 CHは言わずもがなで同サイドにCH2人がいることもしばしば。アーセナルとしては相手をまずサイドに引き寄せてから中央の選手をサイドに引っ張る工夫が欲しい。特に動きの大きいCHは片側に寄せて、大きい展開を駆使してのプレスの回避を行いたいところ。ここはオールド・トラフォードではできなかったお題である。

 現状ではアーセナルはCHが1人で前を向けるかどうかは人選次第の属人的な部分となっている。であれば、前を向けるという部分では余裕があり、かつ足元のスキルがある選手が揃っている最終ライン+ラムズデールの対角パスで脱出するしかない。

 角度を大きく変えながら間延びした陣形で相手を走り回させるのがこの試合のアーセナルの目標。最終ラインはフィードの精度自体は高いものの、このフィード精度をハイプレス脱出に使えているかはまた別の話。アーセナルはこの部分を整備して、前線の動き出しから相手を押し込むスタイルを身につけたいところ。CHのスキルに限界がある以上は工夫したい部分ではある。

 チームとして足りない部分を学んだオールド・トラフォードの一戦。追試の機会はあまりにも早くにやってきた感は否めないが、どう取り組むかは1試合でも見ることができるだろう。ビルドアップの質を上げるための新機軸にそろそろ取り組みたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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