MENU
カテゴリー

「真ん中だけで良しとさせない」~2021.11.30 プレミアリーグ 第14節 マンチェスター・ユナイテッド×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第14節
2021.11.30
マンチェスター・ユナイテッド(8位/5勝3分5敗/勝ち点18/得点21 失点22)
×
アーセナル(5位/7勝2分4敗/勝ち点23/得点15 失点17)
@オールド・トラフォード

戦績

過去の対戦成績

図1

 過去10回の対戦でマンチェスター・ユナイテッドの3勝、アーセナルの3勝、引き分けが4つ。

オールド・トラフォードでの対戦成績

図2

 過去10戦でマンチェスター・ユナイテッドの4勝、アーセナルの2勝、引き分けが4つ。

Head-to-head from BBC sport

・ユナイテッドが勝てなければ歴史上初めてプレミアで7試合連続アーセナル戦で勝ちなしになる。
・アーセナルが勝てば1979年以来のオールド・トラフォードでのリーグ戦での連勝。
・アーセナルが無失点で終わればユナイテッド戦4試合連続クリーンシートのクラブ記録達成。
・アーセナルが記録した直近6試合のアウェイのユナイテッド戦での勝利は全て0-1。

スカッド情報

【Manchester United】

・1試合の出場停止からハリー・マグワイアが復帰予定。
・頭部の負傷で2試合欠場したルーク・ショウは当日判断。
・ポール・ポグバとラファエル・ヴァランは引き続き欠場。

【Arsenal】

・ニューカッスル戦で筋肉系の負傷をしたブカヨ・サカはフィットネステストに臨む。
・グラニト・ジャカとセアド・コラシナツは引き続き欠場。

Match facts from BBC sport

Manchester United

・直近8試合のプレミアで1勝のみ(D2,L5)
・8試合のリーグ戦での勝ち点5は1989年12月から1990年1月以来の低い数字。
・負ければ1986年以来の2021年でのホームゲーム7敗目。
・無得点で敗れれば1963年以来初めてのホームでの3試合連続無得点での敗戦。
・11月のリーグ戦でのシュート数17はリーグ最少。被シュート60はリーグ最多。
・この試合で仮に先制されれば、プレミア史上初めてオールド・トラフォードで9点連続敵チームが得点を挙げることになる。
・直近14試合のホームでの公式戦でクリーンシートなし。1958-59年の21試合に続いて過去2番目に長い記録。
・ラルフ・ラングニックの直近での監督就任は18−19のライプツィヒ。チームをリーグ3位とDFBポカール決勝に導いた。

【Arsenal】

・直近のリーグ10試合で7勝(D2,L1)
・リーグで得点を挙げた8試合は無敗。
・アウェイでのゴール数3はノリッジに次いで少なく、開幕アウェイ6試合中4試合で無得点はクラブレコードタイ。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンが得点を決めればユナイテッドとのアウェイの試合で3試合連続得点を挙げたアーセナル史上初めての選手になる。

予想スタメン

画像3

展望

■『古き良きユナイテッド』がぶち当たる課題に挑むラングニック

    アーセナルにとっては2試合連続で監督人事が不安定なクラブとの対戦になる。マンチェスター・ユナイテッドはワトフォード戦の敗戦で監督交代に踏み切り、ラルフ・ラングニックの就任を発表。ミッドウィークの一戦についてはビザの発給のスピード感次第ということだったが、結局アーセナル戦の指揮はチェルシー戦に引き続きキャリックが執ることになった。

 というわけで正直言ってさっぱりユナイテッドの戦い方はわからん!というのは本音である。一応、参考としてチェルシー戦の所感は載せておく。

 けども、3強の一角のホームゲームに暫定監督で乗り込むというかなり特殊な状況でありどこまで参考になるかはわからない。そもそもチェルシー戦の戦い方もキャリックがひねり出したものなのか、既にラングニックの息がかかったものなのかもよくわからない。

 とりあえず、わかるだけ今季のユナイテッドについて話していくことにする。今季の陣容はスールシャールにとって非常に難しいかじ取りになってしまった。彼がユナイテッドでいい成績を収めていた時はよく自分は『古き良きユナイテッド』という表現を使っていた。

 目新しいアイデアや複雑な可変の動きはなかったが、前線がひたすらプレスをかけ続け、最終ラインがPA内で体を投げ出すことが徹底出来たチーム。それができないとなると並のチームになってしまう。

 20-21シーズンはこの部分が19-20シーズンよりも突き詰められなかったように見えた。スター選手たちをハードワークだけで長年しばりつけるのは難しい。ポグバやブルーノ・フェルナンデスのような大駒がいればなおさらである。

 そこにこの夏はロナウドがやってきたわけである。ブランド的には当然理解できるオペレーションだ。かつての英雄が退団を希望し、あわや同じ町のライバルクラブにかっさらわれそうになったわけだ。合理性などすっ飛ばしてでも獲得しに行かなければクラブイメージにも関わりうる話である。

 ただ、これにより前線からの強度の高いプレッシングという『古き良きユナイテッド』の構成要素を揃える難易度はかなり上がったといえるだろう。ラングニックに託された課題は前線の強度維持とスター選手が揃うアタッカー陣のスカッドとのねじれをどのように回収するかである。

 スールシャールと切り口は異なっても、おそらく前線からのチェイシングを求められるスタイルにラングニックも帰結する可能性は十分にある。今のスカッドでこのオーダーに答えられそうなのはカバーニとリンガードくらいのもの。ロナウドだけでなくマルシャル、ラッシュフォード、ポグバ、ブルーノあたりの選手たちとラングニックの相性は未知数といっていいだろう。

■フレッジとSBをどう越えるか?

 スタイルとスカッドのフィット感でいえば中盤の構成は比較的親和性が高いように思える。特にチェルシー相手にも右サイドの封鎖に一定の貢献をしたフレッジ、そしてそれをカバーするマティッチあたりは中盤の強度を維持するために序列が上がってくる可能性はある。

 アーセナルからすると木曜の夜の試合はまずこのフレッジとマティッチの中盤をクリーンに超えてのボール運びが求められることになる。すでに述べたようにスカッドの関係で今のユナイテッドの前線のプレスの量の部分にはそこまで多くのものは期待できないように思う。となればアーセナルの最終ラインやCHはフレッジをなるべく手前のゾーンに引っ張り出したい。

画像4

 フレッジの食いつきの良さは広い守備範囲を備えている長所である一方で、割と簡単に自らの持ち場を離れてしまうという難点でもある。そのフレッジのカバーをするマティッチは物理的に素早く動くことができないのが弱点である。

 アーセナルからするとまずは彼らの行動範囲を広げながら前進を行っていくことが出来れば光が見えてくる。フレッジを引き付けながら動かし、ここをきれいにこえることがまずは重要。

 もう1つ動かしたいポジションはSB。ワン=ビサカとテレスを手前に引き出すことでユナイテッドの最終ラインに横移動を強いたい。

画像5

 ユナイテッドのバックスは縦方向の移動には結構強いイメージがあるが、横移動はやや弱いように思う。マティッチもそうだけどユナイテッドの守備陣は中央だけ守っていればいい状況だったらめっぽう強い。チェルシー戦でも中央だけはそう簡単に破らせなかった。

 アーセナルからするとニューカッスル戦のアプローチは続くように思う。ニューカッスル戦で見せたサイドをどう破るかの工夫の部分は、CBを横移動させたいマンチェスター・ユナイテッド相手に使えるように思う。

 プレス耐性についても正念場。想像だがユナイテッドはおそらく前からある程度くるように思う。チェルシーほどリスペクトを持った撤退はしないはず。どこのポジションで使われるにしてもまずはフレッジをクリーンに超えることがポイント。リバプール相手に勝ちたいのならば、このスカッドのユナイテッドのプレスは交わしてほしいというのが本音である。

 守備においてはユナイテッド戦の先を見据えてもエバートン、ウェストハムと前線にパワーとスピードを兼備したチームがユナイテッド以降も続いていく。ミッドウィークの試合が始まる中で不動の冨安、ガブリエウ、ホワイトのコンディションや復帰後の手番が少ないティアニーのプレータイム確保などここまであまりいじらなかったバックラインの構成にも連戦においては注目しなければならない。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次