上位へのジャンプアップ失敗という文字通りの痛み分け
共にCLでは決勝トーナメントへの進出をきめているものの、カンピオナートでは上位との勝ち点がズルズル離れている両チームの一戦。欧州カップ戦出場権確保のためには互いにライバルを叩き潰しての勝利が欲しいところである。
そんな両チームの意気込みが現れたような立ち上がりは強度十分のしばき合いに。ハイプレスと即時奪回の応酬で落ち着かない序盤戦となる。
試合が進むと保持で落ち着きを取り戻すようになったのはアウェイのナポリ。3人のCBとアンカー役のロボツカを軸にボールを左右に動かしていく。ラツィオは4-3-3からIHを片上げする形で4-4-2に変形する形で前プレの人員を増員する。
しかしながら、それでも特にナポリのビルドアップ隊に噛み合うわけではなかったのでズレは続くという展開。ナポリは横に揺さぶりながらどこがズレるかというところを見極めていく。
インサイドのガードは堅かったが、サイドからきっかけを作って前進を試みるナポリ。ディ・ロレンツォのスペース感覚が非常に絶妙で、ナポリは右サイドから少しずつ前進のきっかけを見つけていく。
一方のラツィオはカウンターをベースに縦に鋭く切り込んでいく形がメイン。ナポリは基本的には回収できているが、少しバックラインがバタバタしており盤石という感じではない。ラツィオもラツィオで、41分のイサクセンの抜け出しなど、縦に抜けきれないシーンもちらほらみられるように。
どちらのチームも攻め筋は違うが局面は膠着気味。ナポリの保持とラツィオの非保持のシーンをメインに展開は均衡した状況を維持したままハーフタイムを迎える。
後半の立ち上がりはカステジャーノスの素晴らしいシュートからスタート。惜しくもオフサイドとなったが、決まっていればシーズンベストレベルの素晴らしい一撃だった。
後半はオープンな展開になるかな?と思われた立ち上がりだったが、この一撃以降はじりじりとした展開に逆戻り。後半もなかなかイサクセンは抜け出して決定的な機会を作ることができない。ナポリはハイプレスを強化して敵陣でのボール奪取を敢行するが、オシムヘンもおらず、クワラツヘリアが出場停止という状況ではそこから縦に速い攻撃を仕掛けることができないのがつらいところである。
80分以降はラツィオが優勢な展開に移行。一方的に押し込みながらナポリのゴールに迫っていくが、体を張った守備に阻まれゴールを奪うことができない。
結局試合はそのまま終了。文字通りの痛み分けでどちらのチームも上位に近づく3ポイントを手にすることができなかった。
ひとこと
カステジャーノスのシュート、ゴールにならなかったのはあまりにももったいない。
試合結果
2024.1.28
セリエA
第22節
ラツィオ 0-0 ナポリ
スタディオ・オリンピコ
主審:ダニエレ・オルサト