マンツーのしばき合いを制したのは
自分の記事をよく読んでくれている人にとってはおなじみのことではあるのだけども、4-3-3に対しての3-5-2はその気になればハイプレスでマンツーをかけやすいという密かな噛み合わせのいいフォーメーション。この試合では4-3-3のラツィオに対して、3-5-2のトリノがその特性を生かして前からのプレスで襲い掛かった試合となった。
というわけでラツィオは前進にかなり苦戦。マンツー気味にくるCHの背後のインモービレに縦パスを刺そうとするが、そこから先にうまく時間を紡ぐことができず、トリノのハイプレスを剥がすことができない。
トリノはボールを奪うと、サイドの裏を使う形でチャンスメイク。右サイドのベッラノーヴァの裏取りからボックス内に鋭いクロスを放つシーンは前半の少ないチャンスの内の一つといっていいだろう。
ラツィオは前線からのマンツーで追い回しに行くが、やや強度が不足。中盤ですれ違われる場面もしばしば。この辺りはトリノのアタッキングサードでの仕上げの精度が伴っていなかった部分に救われたところである。
スポットでゲンドゥージがプレスを成功させる場面もなくはなかったが、そうした場面は稀。自陣からの前進のフェーズにも最後まで解決策が見つからず、スコアレスながらトリノが優勢のままハーフタイムを迎える。
後半もマンツー同士の一騎打ち。この流れを制したのはラツィオ。左サイドからのパスを仕留めたのはゲンドゥージ。前線のインモービレ、そして絞って受けにくるイサクセンを囮にアウトサイドに流れて先制ゴールを決める。
以降も主導権はラツィオ。プレスを平定しつつ安定して押し下げる機会を確保することでトリノ相手に保持から優位に立つ。2点目は先制点の6分後。右サイドの裏を取った折り返しを決めたのはカタルディ。マイナス方向からの狙い澄ましたミドルでリードを広げる。
リードがあるのでラツィオはミドルプレスにシフト。トリノは左サイドのラザロを軸に切り拓いていくトライを進めていく。すると、左サイドに流れたサパタのアタックからヒラの退場を誘発に成功。ラツィオを10人に追い込む。
最後は粘りの戦いになったラツィオだが、なんとか逃げ切りに成功。しぶとく勝ち点3を手にした。
ひとこと
マンツーのしばき合い、劣勢からよく持ち直したラツィオ。見事だった。
試合結果
2024.2.22
セリエA
第21節
トリノ 0-2 ラツィオ
スタディオ・オリンピコ・ディ・トリノ
【得点者】
LAZ:50′ ゲンドゥージ, 56′ カタルディ
主審:フェデリコ・ラ・ペンナ