ソリッドながらもこじ開けあう両雄
スーペルコパの準決勝はマドリードダービー。異国の地でマドリードを本拠地とする2チームが激突する。
どちらのチームもブロック守備を主体としてきっちりブロックを組む方向性を示す前半。非保持では4-4-2フラットな形のマドリーに対して、アトレティコは2トップの脇からキャリーして前進していく。
するとあっという間に先制点。ファーで構えていたエルモソがCKでネットを揺らしてゴールを決める。追いかける形になったマドリーは4-4-2のプレッシングのラインを上げながら対抗する。アトレティコはCHの降りるアクションで中盤を縦に広げてグリーズマンの受ける箇所を広げていく。
そんなマドリーも保持に回れば5-4-1でのブロック守備の攻略に挑むこととなる。こちらもゴールはセットプレーから。リュディガーがまたしてもゴールを射抜き、試合は振り出しに戻る。
マドリーは右の列落ちにモドリッチ、バルベルデなどが参加しながら、ポゼッションを整える形でボールを落ち着かせる。中盤を軸に出たり入ったりを繰り返す。すると、右サイドの大外から斜めにパスを差し込む形で同点。ブロックの外から差し込んだパスに飛び込んだのはメンディ。今度はマドリーが前に出る。
一方のアトレティコは個人技から同点。チュアメニをデ・パウルの手助けでかわすと、ライン間に侵入しモドリッチとリュディガーを剥がしてミドル。あっという間に追いつく。
ブロック攻略のフェーズからそれぞれ2点ずつを奪った両チーム。前半は2-2でハーフタイムを迎える。
後半も互いにブロック守備を攻略するフェーズ。どちらのチームもほぼファストブレイクはなく、守備陣形が整った状態においての打開を求められる状況に。立ち上がりはアトレティコが優勢。外側からの放り込みに加えて、左の大外のリーノの攻め上がりから深さを作っていく。
しかし、60分を過ぎるとマドリーが2トップをはじめとして左サイドに人を集結させながら細かいパスワークでの打開を狙う。セットプレーからはクイックリスタートでカルバハルが決定機を迎えるなど、オブラクを脅かすシーンを作り出す。
均衡した展開の中でミスが出たのはマドリー。ケパがクロス対応での接触でボールをこぼしたところをリュディガーがオウンゴール。アクシデンタルな形で勝ち越しを許すことに。
だが、交代で入ったカマヴィンガから左サイドを突破すると、同サイドの裏のヴィニシウスの解放に成功したマドリー。ここからのシュートラッシュで最後はカルバハルが同点ゴールを仕留める。
延長は攻める機会がかなりマドリー側に偏る展開に。左右のサイドを中心に仕掛けられる攻撃に対して、アトレティコが徹底抗戦する形で受けるスタンスに回る。
決め手になったのはホセル。右サイドからのクロスを叩きつけてオウンゴールを奪う。抵抗するアトレティコはグリーズマンを軸に総攻撃。最後はオブラクも攻め上がるが、逆にディアスに独走を許して終戦。異国の地でのダービーは延長の末にマドリーが勝利した。
ひとこと
ブロック攻略がベースになった割には多くの得点が生まれたなという印象。どっちのチームもなんだかんだ崩しの術は持っている。セットプレーも含めて。
試合結果
2024.1.10
スーペルコパ・デ・エスパーニャ
準決勝
レアル・マドリー 5-3 アトレティコ・マドリー
キングサウード大学スタジアム
【得点者】
RMA:20′ リュディガー, 30′ メンディ, 85′ カルバハル, 116′ サビッチ(OG), 120+2′ ディアス
AMA:7′ エルモソ, 37′ グリーズマン, 78′ ケパ(OG)
主審:アルベロラ・ロハス
