持っている男が違いを見せる男に
アウェイのバルセロナが一方的にボールを持っていく立ち上がり。ベティスの4-4-2に対して、3-2-5で勝負をかけていく。バルセロナのボール保持に対してはベティスはバックラインにはプレッシャーをかけず。CFはCHと連携しながら、ライン間の2CHをがっちり封じていく算段だった。
ベティスはボールを奪うと素早く前線までボールを開けていく。初先発のクバルシを置いていったエンヒキのチャンスなどはベティス的には手応えのあるものだったはずである。
10分をすぎたあたりから少しずつベティスはハイプレスに出ていくようになる。特にボールを持たせていても問題はないかと思われたけど、ベティス的にはそうではなかったのかもしれない。
これにより、バルセロナはスムーズにライン間にパスをつなぎながらの前進ができるようになる。キーマンになったのはペドリ。前線への飛び出しでアクセントになると、インサイドでは右サイドの繋ぎ役として貢献する。
先制点のゴールシーンは相手にあたった跳ね返りからチャンスを作った偶発性はあったが、ペドリのフリーランとギュンドアンの列上げの関係性は見事。ここで高い位置でフリーの中盤を作れたことが得点の起点となった。
ベティスは序盤を除けば押し返す機会が減ってしまい、受けに回れば中盤も間延びする形でリズムを掴めず。試合はバルセロナのリードでハーフタイムを迎える。
後半もボールを持っていたのはバルセロナ。ベティスがブロック守備で受け止めるという構図は後半も変化がなさそうである。
違いを見せたのは右の大外役となっていたヤマル。縦に抉るドリブルからのクロスが跳ね返り、これをフェラン・トーレスが押し込む。偶発性を孕んだフェラン・トーレスのゴールという前半と同じ構図でバルセロナが追加点を掴む。
この失点以降ボールを持てるようになったベティス。インサイドに圧縮してこようとするフェラン・トーレスの背中をとる形で右サイドに広げながら前進をしていく。
サイドから押し下げた流れを得点に繋げたのはイスコ。豪快なミドルで1点差に縮める追撃弾を沈める。さらにその3分後にイスコは2点目をゲット。またしてもホルダーへのチェックが甘い右サイドからの裏へのロブパスをそのままゴールに叩き込んだ。
以降は縦に速い展開に移行。互いに前線が戻りきれないまま、ゴール前まで攻め込むシーンが増えて、バックラインが根性でどこまで跳ね返せるかの勝負となった。
オープンな展開の中で違いを作り出していたのはイスコ。ボールのキャリー役からボックスの攻略まで多くの役割を担い、バルセロナのバックラインを苦しめた。
しかしながら、スコアに結びつく存在感を示したのはこの試合で持っていたフェラン・トーレス。縦パスの経由点となって味方と連携し、ジョアン・フェリックスの勝ち越しゴールをアシストすると、2分後には自らが抜け出してハットトリックとなるダメ押しゴールをゲット。
持っている男が後半に違いを見せつけたバルセロナ。ベニト・ビジャマリンで4ゴールの大暴れでベティスをねじ伏せた。
ひとこと
制御よりもオープンな殴り合いに興じることで殴り勝つというのはプロトタイプなバルセロナのイメージとは乖離するけど、確かに今はこういう勝ち方の方がらしいかもしれない。前半の崩しとかは結構往年の動かし方に通じるところも見えたけども。
試合結果
2024.1.21
ラ・リーガ
第21節
レアル・ベティス 2-4 バルセロナ
エスタディオ・ベニト・ビジャマリン
【得点者】
BET:56′ 59′ イスコ
BAR:21‘ 48′ 90+2′ フェラン・トーレス, 90′ フェリックス
主審:ヘスス・ヒル・マンサーノ