ドルトムントの気がかりな点は?
立ち上がりに見られたのはサイドの高い位置から止めたいホームのヴォルフスブルクの意識と、ショートパスでその意識を動かしながら回避したいというドルトムントの思惑のぶつかり合いであった。
やり直しを繰り返しながら敵陣に迫っていくドルトムントに対して、ヴォルフスブルクは4-4-2からSHを上げる形でプレッシャーを強めていく。ドルトムントのプレス回避の非常にクリーンな成功例は8分の先制ゴールのシーンだろう。ザビッツァーとブラントの細かいパス交換で右サイドを抜け出すと、左サイドでレーン交換をしたロイスがサンチョを囮に大外でフリーに。ここからの仕掛けでフュルクルクがゴールを奪ってみせた。
先制点後もドルトムントはこのような横断を使いながらヴォルフスブルクを押し込んでいく。左サイドのロイスとサンチョのレーン交換は先制点以降も見られた。初手のポゼッションできっちりとヴォルフスブルクのプレスを越えていきたいため、下地作りはじっくりと自陣で行う形だった前半のドルトムントだった。
一方のヴォルフスブルクの攻め手は左サイドが中心。SHのパレデスにボールを渡しつつ、その外側をメーレが追い越していく形でドルトムントの守備ブロックを壊しにかかる。時間の経過と共に、ドルトムントは保持での圧力が弱まってきたため、少しずつヴォルフスブルクもボールを持てるように。こうなると右サイドの大外も含めて左右からのクロスを放り込むところまでは前半のうちにたどり着くことができた。
前半の好感触をそのままにヴォルフスブルクは後半もハイプレスからのスタート。ドルトムントのビルドアップ隊はバックラインを動かしながらこのハイプレスを回避していく。ジャンが下がり、マートセンが絞るなどポジションの入れ替えの工夫も見せながらヴォルフスブルクのプレスをいなしていく。
ただ、中盤の推進力がやや前半よりも失われてしまったのは事実。ミドルゾーンからの加速からの前線への進撃というドルトムントの持ち味の1つはガス欠によって後半はあまり見られず。代わりにブランド→ズーレのような対角の裏を取りながら相手を動かしていく形など少しテイストが異なるほうがちらほら見られた。
悪くはなかったドルトムントだが、ヴォルフスブルクはセットプレーから同点。乱戦を押し込む形で追いつく。ドルトムントはGKとDFの対応がかぶってしまい、こぼれ球にGKが出ていけない形になってしまったのが痛かった。
以降もハイプレスからエネルギーを出していくヴォルフスブルクだったが、最後までドルトムントのゴールから勝ち越しゴールを奪うことはできず。試合は痛み分けで幕を閉じることとなった。
ひとこと
後半を見てしまうとドルトムントは蓄積疲労が心配。
試合結果
2024.2.17
ブンデスリーガ
第22節
ヴォルフスブルク 1-1 ドルトムント
フォルクスワーゲン・アレナ
【得点者】
WOL:63‘ ゲルハルト
BVB:8’ フュルクルク
主審:マーティン・ピーターセン