粘り勝ったクドゥスが同点弾を引き寄せる
アーセナル戦の快勝以降、2試合連続ドローとやや勢いが停滞気味のウェストハム。前節はブラモール・レーンの魔物に飲み込まれてしまった格好になったが、今節はホームに戻ってきて再起を図る一戦になる。
プレッシングの積極性という意味では少し差が出た両チームだったが、結果を出したのはより高い位置から相手を追い込んでいったアウェイのボーンマス。ズマの雑なパスをつけられたフィリップスのところでボールをカットし、ソランケがあっという間にゴールを沈める。開始から3分でボーンマスが先行する。
それ以降もセットプレーからチャンスを作っていくボーンマス。序盤は完全に彼らのペースで試合が進んでいく。押し込まれるウェストハムはサイドの裏からカウンターを狙っていくが奪うところからカウンターまでがなかなかつながらずに苦戦する。仮にサイドの高い位置まで侵入することができたとしても、そこからのパス交換でもズレを作ることができない。
特にキーマンであるクドゥスを抑えていたケリーのパフォーマンスが前半は見事。崩しの切り札を試合から見事に締め出すことができていた。その一方でクドゥスもまた39分に抜き切らない状況でクロスを上げるなどらしさを垣間見せる。
この間もボーンマスは中盤のボール奪取からのカウンターからセメンヨが決定機を迎える。だが、これはアレオラがセーブに成功。1-0のキープに貢献し、前半にさらなる劣勢に陥ることを防いで見せた。
後半、ウェストハムは少しずつ前にプレスに出ていくことでペースを握る。明らかに序盤よりも高い位置からボールを取り、非保持でも敵陣でのプレーを増やしていく。ボーンマスは前半とは異なり押し返せない状況に苦戦。なかなか反撃の一手が見えない後半の立ち上がりとなった。
すると、決め手になったのはクドゥス。ようやく対面するケリーを出し抜いてのPKを獲得。これで同点に追いつく。
以降は展開としてはオープンな状況に。こうなるとボーンマスも反撃を開始できる。試合はフラットな撃ち合いになっていく。
互いにゴール前での攻防が増える展開となった終盤戦。ウェストハムはちょっと攻撃がクドゥスに偏り過ぎていたのが気になった。2人を引き付けてなお、抜き切ることを求められている様子はちょっとあまりにも苦しい。その分、浮いた周りがボールを引き取ってあげるなどもう少し工夫はあってもよかった。
ボーンマスもまたゴール前で決定的な機会を作ることができずに苦戦。最後はサイドの崩し合いで互いに活路を見出すことができず、試合は勝ち点1を分け合う結果となった。
ひとこと
ウェストハムのクドゥスへの依存度の高さは結構気になるレベルだった。
試合結果
2024.2.1
プレミアリーグ 第22節
ウェストハム 1-1 ボーンマス
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:61‘(PK) ウォード=プラウズ
BOU:3’ ソランケ
主審:ティム・ロビンソン