5バックにシフトしない決断が明暗を分ける
内容自体は向上が見られないこともないのだが、勝ち点を積み上げられずに苦しい戦いが続くバーンリー。そろそろ3ポイントを奪う試合が出てこないと、残留の扉は少しずつ閉ざされてしまうこととなる。
試合の主導権を握ったのはフラム。守備に回ると敵陣から積極的に追い掛け回していく姿勢を見せて、ボールを回収。順調にサイドから押し込むトライを見せていく。この日のバーンリーは非保持に回るとベルゲが最終ラインに入る5バックに変形。前線のプレッシャーが少ないフラムはカジュアルに相手を押し下げることができている。
ベルゲが最終ラインに入る動き自体は確かにフラムの押し込みをもろに食らう構造的な要因の一つになっていた。その一方でベルゲが最終ラインに入ること自体は多くのピンチの抑制にはなっていた。難しいところではあるが、最低限ほしい要素は体現できたといっていいのではないか。
押し込むことができていたフラムはセットプレーから先制点をゲット。ニアに入り込んでパリーニャがゴールを決めてフラムが前に出る。
さらにフラムは追加点をゲット。アクロバティックなロビンソンのクリアが前線のムニョスに繋がってゴール。幸運な形での前線の供給で前半のうちに突き放す。
バーンリーはトップのフォスターがサイドに流れる形で起点になっていた。だが、フラムは2点のリードを得た時点でプレスをマイルドにして後方をきっちり守り切る方向性にシフト。SHを下げてサイドの人員を増やしバーンリーの起点を封鎖する動きを見せる。
後半、再びハイプレスをスタートしたフラム。フラットになった主導権を引き戻そうと奮闘する。ハイプレス→敵陣への攻略は非常にスマート。ロビンソンの抜け出しも前半以上に存在感があり、感覚は良好である。
しかしながら、65分付近から徐々にフラムのプレスは強度が落ちていく。すると、バーンリーは追撃弾をゲット。トランジッションから左サイドから抜けだしたアミニョンのクロスがボックス内を強襲すると、レノが珍しい対応ミスを見せたところでゴールを奪う。
少しずつ保持の時間が増えるバーンリー。フラムは中盤に代えてテテを入れるが、特に5バックに移行することはせずに布陣をキープ。前線のキャラクターを代えることで手当てをする。
しかし、結果的にはフラムにとってこの判断は裏目に。バーンリーが同点ゴールで破ったのはこちらのサイド。いかにも4バックという感じで崩されてしまったフラムだった。
5バックへのシフト回避が裏目に出てしまったフラム。バーンリーは何とかおいついて1ポイントの確保に成功した。
ひとこと
マルコ・シウバは確かにフォーメーション変更の腰が重たいタイプの監督ではあるけども、この場面でのこのカードの切り方は5バックシフトでよかったと思う。
試合結果
2024.2.3
プレミアリーグ 第23節
バーンリー 2-2 フラム
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:71‘ 90+1’ フォファナ
FUL:17‘ パリーニャ, 21’ ムニス
主審:ダレン・ボンド