前節と真逆の歓喜の後半追加タイム
前節はエバートンにギリギリのところで勝ち点を落としてしまったトッテナム。今節はホームで負傷者が絶えないブライトンとの一戦である。
序盤は積極策のブライトンペースと言えるだろう。降りてくるトッテナムの前線に対して、マディソンについていくファン・ヘッケなどが代表例として襲いかかっていく。
トッテナムも非保持側になれば前からプレスに潰しにいくが、縦パスで相手を狭く集約しつつ、広げるパスから三笘とウェルベックを預けどころにするプレス回避が炸裂。ブライトンが落ち着いてトッテナムをパスワークでいなしていく。
先制したのはブライトン。中盤中央でドリブルを始めたベンタンクールをグロスが潰し、ウェルベックが細かいタッチからファン・デ・フェンがPKを献上。グロスが決めて先行する。
ハイプレスがハマらず、自陣からのビルドアップは捕まっているトッテナム。特に、中央に簡単につけるパスは失点以降もブライトンのショートカウンターの温床になっていた。
そのため、トッテナムは裏抜けスピード勝負を中心に挑む。だが、重心が上がりきらない分、ブライトンが選択肢を読み切れる場面が多かった。
30分を過ぎるとトッテナムが徐々にプレスを決め切るようになり、ブライトン主導の流れが少しずつ変化が起きるように。敵陣に襲いかかるプレーが増えているが、最後の最後に体を投げ出すブライトンのCBとスティールのファインセーブが立ちはだかる。
ブライトンは前半を無失点で凌いでハーフタイムに。トッテナムはビハインドを許したまま前半を終える。
後半、ビハインドのトッテナムは圧力をかけていくスタート。保持では少し低い位置でのポジションチェンジを増やしながら、前半に狩りどころにされていた中央でのボール奪取を回避していく。インサイドにSBが入り込む分、サールがきっちりと右にフローするなど内と外のバランスを維持する工夫はなされていた。
ブライトンも後半にプレス回避は安定し、再びボールを持てるように。互いにアタッキングサードに侵入できるようになった中でゴールに至ったのはトッテナム。前半に足りなかった前線以外の最終局面の関与という課題をハーフスペースに裏抜けしたサールが見事に解決。試合を振り出しに戻す。
ここからの3枚替えで勢いに乗りたかったトッテナムだが、オープンな展開でむしろ勢いがついたのはブライトンの方。ハイプレスからのカウンターの連打で押し込み返し、主導権を再び握る。
終盤はDF陣がリスク覚悟の斬り合いに。1つのミスが命取りになりうるハードなプレー選択の連続で互いにリスクをかけたクライマックスに。緊張感のある最終盤に笑ったのはトッテナム。リシャルリソンの丁寧なプレーでCBを外しつつ、ソンがクリーンに抜け出す状況を作ると、最後に決めたのはジョンソン。
劇的な追加タイムのゴールでトッテナムは勝利。アジアカップ帰りのソンのアシストによる決勝ゴールで、前節と真逆の歓喜の幕切れを果たした。
ひとこと
どちらが勝ってもおかしくないスリリングな後半戦はなかなかの見応えだった。
試合結果
2024.2.10
プレミアリーグ 第24節
トッテナム 2-1 ブライトン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:61′ サール, 90+6′ ジョンソン
BHA:17′(PK) グロス
主審:サム・バロット