■らしさ全体の正面衝突
共に持ち味が十分に出たスリリングな3位決定戦。より積極的な作戦に出たのはコロンビアの方。アルゼンチン相手にも効いていた両SHの元気さは据え置き。ルイス・ディアスとクアドラードは今日も元気に走り回っていた。4-4-2ながらSBがあまりSHにサポートに行かないのも彼らの特徴の1つ。近寄ってマークを引き寄せてしまうよりはなるべく広いスペースを与えて暴れまわってもらった方がお得!という算段なのだろう。
前線ではサパタが相変わらず収まるし、カルドナの間受けも健在。サイドに散らす役割は彼らが担うことになる。特にサパタの存在はペルーに対して非常に脅威になったはずである。
プレッシングに関しては高い位置からSBを食い止めるためにSHも積極的に高い位置を取っていくコロンビア。ここ数試合は相手との力関係もあり、あまり攻撃的なスタイルが全開というわけにはいかなかったが、この試合では持ち味を十分に出せていたと思う。
対するペルーはやや慎重な入り。強力な個を有するコロンビアを前に撤退気味。特にSHが後方に構えることもいとわない6バック化も視野に入れる形でサイドの手当てを入念に行った。
ただし、ペルーも保持の部分はGSで見せた良さがよく出ていた。CFに収まるのはこちらも同じ。前線の起点としてラパドゥーラのポストはよく効いていた。相変わらずつなぎの華麗さはさすがで、司令塔のジョトゥンを中心にペーニャとカリージョで右サイドにボールを流しながら徐々に押し上げていく。
らしさ全開で先制したのは押し込まれる機会が多かったペルーの方。丁寧につないだロングカウンターでサイドを横断すると、最後は攻めあがったジョトゥンが押し込む。ペーニャの低い位置でのボールキープからの加速が秀逸で、低い位置からつなぐペルーの哲学を体現した得点となった。
コロンビアのビハインドで迎えた後半はより激しい展開に。クアドラードのFKで開始直後に追いつくと、そこからは試合はオープンな展開に。となるとルイス・ディアス劇場の開幕である。アルゼンチン戦でも見せた長いパス一本で抜け出してからの独走フィニッシュで勝ち越しゴールをゲット。
ペルーも一度はセットプレーから追いつくが、後半追加タイムにルイス・ディアスは再び大仕事。正直、細かいタッチは流れたが、横のドリブルでシュートコースをわずかに作り出すと外に逃げるミドルシュートで強引に打ち破って見せた。
激流のような後半戦はノックアウトラウンドで絶好調だったルイス・ディアスが主役。3位決定戦らしいすがすがしい試合で最後に話題をかっさらっていった。
試合結果
コロンビア 3-2 ペルー
マネガリンチャ・スタジアム
【得点者】
COL:49′ クアドラード, 66′ 90+4′ ディアス
PER:45′ ジョトゥン, 82′ ラパドゥーラ
主審:ラファエル・クラウス