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「湘南目線の川崎撃破プラン」~2024.2.24 J1 第1節 湘南ベルマーレ×川崎フロンターレ プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第1節
2024.2.24
湘南ベルマーレ(昨季15位/8勝10分16敗/勝ち点34/得点40/失点56)
×
川崎フロンターレ(昨季8位/14勝8分12敗/勝ち点50/得点51/失点45)
@レモンガススタジアム平塚

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で湘南は2勝、川崎は7勝、引き分けが3つ。

湘南ホームでの戦績

直近10戦で湘南の2勝、川崎の5勝、引き分けが3つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近4回の公式戦での川崎戦でいずれも湘南は勝てていない。
    • 負けた2つは湘南のホーム開催。
  • ただし、直近の平塚開催のホームのリーグで戦は2022年に湘南が勝利を挙げている。
  • ホームチームは公式戦直近4試合で勝利がない対戦。
  • 直近2年の対戦で古巣相手にゴールを決めている選手がいるカード。
    • 2022年の阿部浩之、2023年の瀬川祐輔。共に所属チームのホームゲームで記録。

スカッド情報

湘南ベルマーレ
  • 根本凌は左膝前十字靭帯断裂で離脱中。
川崎フロンターレ
  • 車屋紳太郎は左膝外側半月板損傷で離脱中。
  • 遠野大弥は右肩の脱臼でシーズン序盤から負傷離脱中。
  • 小林悠と大島僚太はメンバー外が続いている。

予想スタメン

Match facts

湘南ベルマーレ
  • 昨季、アウェイで開幕戦の4年ぶりの勝利を記録。
  • しかし、それ以前の3連敗はすべてホームで敗北。
    • 昨季もホームでの開幕戦となった第2節は勝てていない。
  • 2010年以降、14年間開幕戦のドローはない。
  • 昨季の34ポイントは降格した2020年に次いで直近10年で最も少ない数字。
  • 昨季の公式戦の67失点の内、37失点は60分以降に喫している。
  • 昨季は先制された時の勝利が1つもないシーズンだった。
川崎フロンターレ
  • 昨季の敗戦で開幕戦の9年間の無敗(W6,D3)がストップ。
  • また、7年連続の開幕戦クリーンシートも昨季ストップ。
  • アウェイでの開幕節は2018年以来。第1節に迎えたアウェイゲームは4連勝中。
    • 直近3回はいずれもクリーンシート。
  • アウェイでの公式戦は直近7戦無敗(W5,D2)
  • J1の開幕戦で新加入選手がゴールを決めれば2015年のエウシーニョ以来9年ぶりのこと。
  • 国内のチーム相手の公式戦は435分無失点が継続中。
    • 今季ここまでの3試合の公式戦ではすべて新加入選手が得点を決めている。

展望

2つの角度で川崎攻略は狙えそう

 リーグ戦が開幕する前に川崎のACLはRound 16で終了。ここからの川崎は週1の試合を淡々と進めることとなる。普段であれば湘南についての記述を始めるのだが、もちろん1試合もやっていない湘南の情報は全く無いので、今日はちょっと別の切り口からプレビューをやろうと思う。湘南から見て、川崎をやっつけるにはどうしたらいいかを考えたい。

 そのためにはまずは川崎のACLを紐解く必要がある。川崎がACLで見せた課題の1つはビルドアップである。いうまでもなく大南のミスがきっかけになった等々力の山東戦の1失点目である。

 あのシーンは佐々木がサポートに入るかどうかがかなり話題になっていたが、個人的にはそこはおまけというか大勢に影響があったかは怪しい部分だと思う。「佐々木がサポートに入らないと大南のパスコースがない」という主張は一見正しいように見えるが、裏を返せばそもそも佐々木がサポートに入ったところで大南のパスの選択肢は佐々木に限定できるということである。

 ということは対面のSHは強気でプレスに行くことができる。その状態になれば大南→佐々木のパスはいわゆる“ハメパス”である。それであるならば、佐々木がサポートに入ったとて大南の状況を助けることはできない。

 より重要な問題点は大南が受けた時点でパスコースの選択がそもそも複数作られていなかったことである。山東の守備を振り返ると2トップで川崎のGK、CBの2人、アンカーの4枚を監視するスタイルであった。それであれば、理屈通りに開けば必ず2つはパスのルートを作ることはできるはずである。

 これを踏まえて湘南は何をすればいいか。湘南目線であれば、川崎のCBにボールを持たせてパスの出す先をケアするのがベター。ジェジエウが出てきても大南と同じ問題点は出てくるし、丸山は思ったよりは細かいパスワークからのビルドアップを行う意識はあるが、キャリーはあまりしないのでプレスのズレは起こりにくそう。高井はキャリーもできるが、4人の中では最も非保持に回った時の判断に怪しさがある。いずれにしても、GKがソンリョンである限り、バックパスを積極的に活用したCBのパスコースの選択肢作りは積極的にはやらないはず。この時点で湘南にとって川崎相手にはプレスに行く価値がある。

 湘南の昨季のベースのフォーメーションは3-5-2。4-2-3-1の山東よりも高い位置に出ていく枚数をナチュラルに増やしやすい。2人のCBには2トップがプレスに行き、中盤の3枚も噛み合わせられる。CBはベタっとつくよりも距離をとりながらマークした方がいい。2トップはオールコートマンツーというほどではなく、川崎の中盤を挟み込めるポジションをとりつつ、CBがボールを持てば中盤のパスコースを消しながら出て行くくらいでいいように思う。

 仮に湘南が今季トライしているという噂の4-4-2を採用するのであれば、プレスの枚数はかみ合わないことが前提になるので、よりコースの制限や寄せるタイミングがさらにシビアになる。湘南目線でも試金石となる部分だ。

 もう1つ湘南目線で狙いたいのは同じく等々力の山東戦の3失点目のシーンである。この場面の川崎の問題点は2つ。1つ目は前線のプレス。川崎の前線はエリソンが入った分、プレスの運動量は十分に担保できている。しかしながら、向こう見ずな単騎での突撃が多く、チームとしての連動したプレスに昇華できてはいない。そうなれば、むしろエリソンらの強気なプレスは相手にスペースを与えるだけになる。

 山東戦の3失点目はまさしくプレスへの高い意識が裏目に出た場面である。マルシーニョがいない状況でエリソンがサイドにスライド、家長が無理筋な外切りプレスで3トップが綺麗に外される。

 2つ目の問題点はその先。そもそも4-3でブロック守備を受けるという状況に問題があるのは確かだが、それにしても中盤が簡単に逆を取られ過ぎている。この場面は2人の選手がクリサンにアプローチに行っているが結果的にかわされている。横断を許してしまうとピンチはさらに広がってしまう。

 まずは大外でクリサンが受けたシーン。脇坂と佐々木が2枚行っているが、結局脇坂の右からかわされている。そしてクリサンはカットイン。これに対してついていく脇坂とカザイシュヴィリに釣られかけた橘田がカバーに行く。

 2つ目のこの場面はそもそもクリサンにアプローチに行った橘田と脇坂はクリサンに対して似た角度から近づいており、2人で出ていく効果は薄い。むしろ、後から出て来た橘田の動きは脇坂がクリサンについていく動きの邪魔になっているとも言えるだろう。

 このように川崎の3センターは同サイドに圧縮に行く動きに対して、背中を取られて傷口を広げることが多い。かつ複数人でボールを同時にアプローチすることをあまりメリットとして転換できていない。

 山東戦の川崎の3失点目は今の川崎の守備の問題点が凝縮されたものになっている。簡単に外される3トップ、ボールを追い回した結果として状況を悪化させる3センター。これに加えてバックラインの弱体化があるのだから、現段階では川崎の失点は昨季以上の数が見込まれることになる。湘南はこの弱みを炙り出すように左右に大きくボールを動かすのがうまいチーム。WBを起点に逆サイドのWBまでボールを流して薄いサイドを作ることは可能だろう。

 というわけで湘南目線で考える川崎対策は2つ。1つはCBへのパスコースを消しながらのプレッシング、もう1つは3トップを剥がした後に3センターの背中を取る形での横断。この2つをベースに勝負を仕掛けていけば川崎を苦しめることができる可能性は高いと見る。

ACLで勝てるようになるには?

 今季の川崎はポゼッションからは逃げてはダメ!というのは開幕から繰り返してきた部分である。ACLで敗退したため、日程的な余裕ができたことを考えると、以前よりは緊急度は下がったと思うが、それでも取り組むべき課題と言えるだろう。谷口、山根の退団によりDFラインの迎撃性能が下がったことを踏まえれば、よりクローズな試合の進め方を身につけておく必要はあるように思う。

 後方から枚数を増やすことのない山東型のプレスは回避可能なものである。これは確信を持って言える。「後方から枚数を増やしてこないアンカー管理型の2トップでのプレスをGKのバックパスを活用して回避する」というのは川崎が早い段階でたどり着くべきマイルストーンであろう。この枚数のプレスであれば大南やジェジエウのようなプレス耐性の低いCBでも十分に達成可能な水準なはず。もちろん、ソンリョンも。そもそも寄せにくい状況を立ち位置で作るのが重要だ。

 守備に関しては3トップも3センターもボールホルダーに対しての食いつきが裏目に出ている感がある。背中を取られてしまえば結局プレスは無意味になる。特にホルダーに対して2人で囲んでいるにも関わらず、選択肢を制限できておらずかわされてしまうという中盤で頻発しているプレーは改善が必要。去年からの継続課題だ。こうしたエラーは大抵3トップが守備で力になれないケースにおいてより露骨に晒される弱点である。

 「ACLではどのようにすれば勝てるか?」という質問を敗退後にもらった。個人的には別に国内でも勝てていないので、足りないところだらけという感想が先に来るが、せっかくなので考えてみよう。「ACLで」とわざわざ限定されたことに意味を持たせるとすれば、西のチームのように国内よりも非保持の機会が多くなるチームに対してどのように戦うべきかということだろう。

 自分の考える答えは「ミドルプレスで踏ん張れる時間をなるべく伸ばすこと」と「ローラインで跳ね返す強度を身につけること」の2つ。ローブロックの強度は大事だが、今時ボールを持てるチームに対してそれだけではまず勝つことは無理だ。ラインを上げた状態でコンパクトなブロックをキープし、ホルダーに対して選択肢を制限し、後方のプレスを助ける。この連携をFW-MF間で行う必要がある。MFの運動量任せではおそらく高いレベルでは簡単に外されてしまう。川崎はハイプレスとリトリートの間がかなり極端であり、この中間であるミドルプレスで踏ん張るというフェーズに関してもっと積極的に取り組む必要があるように思う。

 もちろん、ハイプレスとリトリートだけでもJリーグではある程度は通用する可能性もある。川崎が昨年重要な勝利を挙げた試合ではMFの運動量と潰し役としての高い性能が大きな要素になったのは間違いない。リーグに専念できるという環境、かつMFをより積極的にローテできる今季の布陣であれば入れ替えながらこのプランを持続することは昨季よりは容易かもしれない。ただ、その先にACLが見えるかと言われると、個人的にはなんとも言い難いなと思ってしまう。

 いずれにしても火曜日で「23-24シーズン」は終わりとなり、ここからは「2024シーズン」が始まる。ピークを早めに持ってきてしまったこと、そしてキャンプを新しい試みに費やせなかったことは確実にJリーグに響いてくるはずである。それでも国内リーグの開幕とともに新たな方向性が提示される可能性は十分にある。上に示した方向性とは違っても、その方向性が川崎の持っている課題の改善に対して正しいアプローチであることを願うばかりだ。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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