雨の亀岡で繰り広げられた大乱戦
雨の亀岡でのホームゲームを迎えた京都。前節、川崎を撃破した勢いで同じく神奈川の横浜FMを迎え撃つ。
立ち上がりから高い位置からのプレスに出ていく両チーム。IHが前に出ていく形を作り、互いのバックラインに圧力をかけていく。
違ったのは保持に回った時の互いのバックラインの振る舞いである。きっちりとフィードで前線にボールを逃すエドゥアルドに対して、京都のバックラインはアピアタウィアを中心に繋ぎに執着。その結果、アンデルソン・ロペスのプレスの餌食にあってしまい、失点を喫してしまう。
さらにはアピアタウィアはハーフウェーラインがオフサイドラインとなった状況を作ってしまい、植中に背後を取られてファウルを犯して一発退場。彼ににとっては散々な日だった。技術的なミス、判断のミス、そもそも悪天候の中でプレスに来る相手に対してここまで繋ぐ必要があったのか？ということも含めて、なかなか切ない退場になってしまった。
ACL終わりの横浜FMとしては相手が10人になり、さらにリードを与えてくれたことはありがたいことこの上ない。ファストブレイク、定点攻撃の両面からチャンスを作り続ける。だが、ラストパスがずれてしまったり、あるいはシュートが枠をとらえなかったりなどあと一歩でゴールをこじ開けることができない。
京都は非保持は4-4-1だったが、保持になるとSBを大外にカバーさせる形の3トップのような形に変形。リスク上等の手段をとる。10人になってからもショートパスベースでの組み立てを行っていたが、プレスの餌食になるリスクを含めて、京都はファストブレイクの方が手応えは良さそう。ソンユンの早いリスタートからの3トップにおまかせ！という形からチャンスを作る。
それでも攻撃の機会を確保する横浜FMはようやく追加点をゲット。先制点の裏返しという形で水沼のアシストからロペスのフィニッシュでリードを広げる。
ただ、以降は横浜FMも不安定の沼にプレスで中盤が間延びしてしまったりなどややバタバタ。ピッチの横断を許してしまい、SBのクロスからチャンスを作られてしまう。
失点シーンも軽率さがあった。中央でのロペスとエウベルのパス交換、上島の雑な対応で佐藤にプロ初ゴールを献上してしまう。勢いに乗った京都はそのまま前半のうちに同点に。セットプレーから川﨑が押し込んでハーフタイムまでに試合を振り出しに戻す。
後半も勢いに乗った京都がクロスからシュートまで辿り着く形でスタート。横浜FMは試合を落ち着かせるというよりはオープンな状態を許容して撃ち合いを受け入れる姿勢を見せる。
撃ち合いで結果を出したのは横浜FM。スローインからのダイレクトな繋ぎをアンデルソン・ロペスが沈めて再びリードを奪う。
10人相手に再びリードを奪い今度こそ万全かと思われた試合。なおもアタッカーを増員する形で強気に出ていく横浜FMだが、雑なパスとバックラインの軽い対応のコンボから京都に抜け出しを許して、ポープの一発退場を誘発。1失点目と似た形のミスを引き起こしてしまう。まだまだ試合は落ち着かない。
数的不利が解消されたことで攻める機会が担保されるようになった京都。終盤にチャンスを迎えたのは安齋。上島のミスにつけ込む形の決定機など2回のチャンスを迎えるが、いずれもシュートを決め切ることができず。それ以外の選手はボックス内でエネルギーを発揮することができなかった。
雨の亀岡決戦は互いに退場者を出す乱戦に。それでもしぶとく逃げ切った横浜FMがなんとか勝利を挙げた。
ひとこと
結果が出ているし、攻撃のシャープさは生きているけども、守備陣が抱える不安定さとか攻撃のスタイルとの関連性は少し川崎の不振とダブるところがある横浜FMであった。
試合結果
2024.3.17
J1リーグ
第4節
京都サンガF.C. 2-3 横浜F・マリノス
サンガスタジアム by KYOCERA
【得点者】
京都:45′ 佐藤響, 45+3′ 川﨑颯太
横浜FM:5′ 水沼宏太, 33′ 52′ アンデルソン・ロペス
主審:川俣秀
