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「Catch up J1 League」~2024.4.13 J1 第8節 東京ヴェルディ×FC東京 ハイライト

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テンポアップが命運をわけた東京ダービー

 16年ぶりに行われることとなったJ1での東京ダービー。バチバチの一戦をピッチでも体現することとなった要因の一つは東京Vのフォーメーションに噛み合わせるように4-4-2気味に組んだFC東京のスタートの陣形だろう。これにより、立ち上がりはマンツーでのロングボールでのしばき合いがスタート。落ち着かずにボールが行ったり来たりする序盤戦となった。

 先にボールを落ち着けようとしたのはFC東京。高のサリーや仲川の列落ちなど陣形を後ろに重くすることでフリーマンを作りながらパスコースを作る。ただし、前線には俵積田や小柏などスピード豊かなアタッカーがいるため、裏が見えるルートがあるならば、そこを使うことには躊躇しないというスタンス。少しずつ東京Vのプレスを落ち着けて押し込んでいく。

 一方の東京Vもロングボールを出口にしつつショートパスを基調とするスタンス。こちらも列を降りる森田やビルドアップに参加するマテウスを使い、FC東京のプレスに対してズレを作る。不味くなったら左右の裏のスペースに抜ける染野と木村へのロングボールで逃げる形だ。

 ただ、東京Vは自陣でのパスワークの最中にFC東京のプレスに引っかかってしまうこともしばしば。ショートカウンターでのピンチを招く。しかしながら、FC東京はこのプレスを前半の中盤から辞めてしまった。これにより東京Vは30分過ぎから保持の時間を作り出すようになった。

 すると、押し込む東京Vは先制点をゲット。左に流れる染野のスペースメイクからインサイドに入り込む見木が安斎に引っ掛けられてPKを獲得。これを自ら決めて先制点を決める。安斎は少し軽いプレーになってしまった。

 東京Vは勢いに乗る形で高い位置からそのままプレスに出ていく。これが奏功して追加点をゲット。全体の重心が押しあがった状態でトレヴィサンのパスをカットしたところから上がった右サイドのクロスを染野が美しいボレーで仕留める。

 困ったFC東京だが、ようやくここからアタッカーがスピードを見せてチャンスメイクを披露。反撃の準備を整えようとした矢先に安斎が退場となってしまう。FC東京としては2点のビハインドに数的不利と散々な前半になってしまった。

 FC東京は仲川をサイドに落とす4-4-1で対応。HTを挟んでも交代はなく、選手交代なしで安斎の退場による布陣変更に対応した。

 東京Vは保持のターンでは前半以上にじっくりとしたボール回し。特にハイプレスに襲い掛かられる心配はもうなくなったため、FC東京のプレスを引き出すような形でボールを動かしつつ、山田と染野のサイドからのスペースメイクからボックスに迫っていく。

 保持を途中でカットできた時など、縦に急げる時であればカウンターに移行するFC東京だが、そうでもないときは自陣からショートパスを繋ぐ。サイドのスピードのミスマッチを使うための手前でのタメを作れるかを探っている様子。だが、試合自体は立ち上がりは数的優位の東京Vが優勢だったと言えるだろう。

 やや、互いの保持の時間が長くなっていた試合だが、選手交代によってFC東京がハイプレスをスタートさせたことで試合のテンポは前半に逆戻り。東京Vは試合を落ち着かせる気はなかったのか、その手段がなかったのかは定かではないが、この流れに乗っかることとなった。

 試合のテンポが上がったことで結果を出したのはFC東京。後半にインターセプトを見せていた右サイドの白井のカットから縦に速いカウンターを見せると、折り返しを遠藤が仕留めてゴール。これで試合を1点差まで引き戻す。

 東京Vとしては数的優位+早いテンポの展開でチャンスは十分にできている。1点差でも特に割り切って守ろうという様子はない。追撃ムードのFC東京は当然押せ押せなので以降もカウンターによる素早い攻撃の応酬が繰り広げられる。

 後半追加タイムまでは粘ることに成功した東京Vだったが、最終盤に決壊。トレヴィサンへのロングボールを起点にはじまった攻撃を完結させたのはまたしても遠藤。土壇場でチームを救うゴールを決めて勝ち点1を死守。FC東京が最後に意地を見せた東京ダービーは引き分けで幕を閉じた。

ひとこと

 試合のテンポを上げることで前半に追加点を引き寄せた東京Vが、後半は試合のテンポを上げるのに付き合ったことで追いつかれてしまったのはなかなかな因果であった。割り切らないのがダービー!といえばそれまでだけども。

試合結果

2024.4.13
J1リーグ
第8節
東京ヴェルディ 2-2 FC東京
味の素スタジアム
【得点者】
東京V:28′(PK) 見木友哉, 34′ 染野唯月
FC東京:68′ 90+4′ 遠藤渓太
主審:小屋幸栄

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