ブロック侵入をめぐる見応えある攻防に
3連勝の横浜FM。今節の相手は前節9人で川崎に敗れた神戸である。
神戸は大迫のロングボールからスタート。きっちりブロックを組むところも含めて神戸の入りは非常に堅実だった。横浜FMはパトリッキの背後からボールを前に進めて、横断からプレスをひっくり返す。
横浜FMは神戸の2列目をプレスに引き寄せて、その背後を取る形からチャンスを作りたい。だが、神戸は出ていく時はブロックを再構築できるくらいには時間を稼ぐことを徹底。横浜FMにライン間や裏で前を向くことを簡単に許さない。
神戸はなるべくブロックの高い位置で跳ね返してカウンターに移行することで主導権を握る。保持に回ると左サイドから勝負。直線的にゴールに向かわず、大外から崩しのルートを模索するパトリッキを見るのは少し新鮮だったが、井出のサポートもあり、左サイドからクロスを上げる形はそれなりに様になっていた。
しかしながら、苦しみながら先制したのは横浜FM。セットプレーからエドゥアルドがネットを揺らす。だが、エドゥアルドは直後に自陣でPKを献上。死角から大迫が飛び込んでくるというボーンヘッドのような形ではあったが、この事例は不運でもPKを取られることが多い。
後半も保持からボールを動かしながら神戸のブロックを動かしていく横浜FM。しかしながら、神戸はリトリートを間に合わせることでこれに対抗するという展開となる。扇原はカードを持ちながらも高い位置からボールを奪い、飯倉の背後を狙うなど鋭さを見せていた。
さらに後半の神戸は前半以上に明確な攻め手を確立。右サイドの武藤のところと交代で入ってきた加藤聖は完全にミスマッチ。武藤が裏抜けから単独で違いを作り出す。
すると、このサイドから神戸は追加点をゲット。背後をケアしてラインを下げたのに、一発でボールをカットしに行って失敗した加藤聖は飯倉に怒鳴られてしまっても仕方のない対応だったと言えるだろう。
横浜FMはエウベルとマテウスを下げるとさらに苦戦が顕著に。ボックス内に植中が入っていく形は悪くなかったが、外での崩しの精度が下がった分、少し苦しいところはあった。
横浜FMはボールを持ちながら最後まで解決策を探るが、神戸を苦しめることはできず。連勝は3で止まることとなった。
ひとこと
後半にできたサイドでのミスマッチはかなり神戸に有利に働いたように思う。
試合結果
2024.8.11
J1リーグ
第26節
横浜F・マリノス 1-2 ヴィッセル神戸
日産スタジアム
【得点者】
横浜FM:42‘ エドゥアルド
神戸:45+3’(PK) 65‘ 武藤嘉紀
主審:木村博之
