Fixture
プレミアリーグ 第5節
2021.9.18
バーンリー(18位/0勝1分3敗/勝ち点1/得点3 失点8)
×
アーセナル(16位/1勝0分3敗/勝ち点3/得点1 失点9)
@ターフ・ムーア
戦績
過去の対戦成績
過去10回の対戦でバーンリーの1勝、アーセナルの7勝、引き分けが2つ。
ターフ・ムーアでの対戦成績
過去10戦でバーンリーの1勝、アーセナルの5勝、引き分けが4つ。
Head-to-head from BBC sport
・バーンリーは直近3試合のアーセナル戦で負けなし(W1,D2)。しかし、それ以前の10試合はいずれも負けている。
・アーセナルがターフ・ムーアで最後に敗れたのは1973年。以降の9試合のトップリーグでの対戦は無敗(W5,D4)
スカッド情報
【Burnley】
・ナタン・コリンズは負傷から復帰の可能性。
・マクスウェル・コルネ、コナー・ロバーツ、ケビン・ロング、デイル・ステーフェンスにシーズンデビューの可能性。
【Arsenal】
・負傷明けのトーマス・パーティの扱いには慎重。先週同様ベンチの可能性もあり。
・グラニト・ジャカは3試合出場停止の2試合目。モハメド・エルネニーはハムストリング、ロブ・ホールディングは膝の怪我でそれぞれ欠場の見込み。
Match facts from BBC sport
【Burnley】
・ホームでは12試合連続勝ちなし(D6,L6)。クラブ記録を更新中。
・直近21試合のホームでのリーグ戦で16得点のみ。
・リードから落とした勝ち点は8でリーグ最多。今季先制した3回の試合で全て勝利を逃している。
・直近23試合のリーグ戦で4勝(D6,L13)。勝利は全てアウェイゲームでのもの。
・ホームゲームでのプレミア歴代6強(MC,MU,ARS,CHE,LIV,TOT)との29回の対戦で1勝のみ(D5,L23)。
・今季喫した8失点中7失点は後半のもの。
・ベン・ミーはレスター時代の15試合をふくめて、350試合のリーグ戦出場まであと1試合。
【Arsenal】
・アウェイでの開幕3連敗になれば1954年以来のこと。無得点での3連敗を喫したのは1923年ただ1回だけ。
・直近16試合の先制した試合で14勝。その16試合で唯一引き分けになったのが昨年のターフ・ムーア。ピエール=エメリク・オーバメヤンの先制点をクリス・ウッドの同点弾で打ち消された試合。
・リーグ戦における先制された21試合中、15試合で敗北。直近4つはいずれも敗れている。
・ノリッジ戦の30本のシュートは2017年12月以来最多。今季開幕3試合でのシュート総数は29本。
・前半での6失点はリーグワースト。
・オーバメヤンは7試合のバーンリー戦で8得点。英国クラブ相手で最も得点を決めているチーム。ドルトムント時代にはハンブルガーSV相手に9得点を決めている。
予想スタメン
展望
■昨年の二の舞は避けたい
前節、なんとか未勝利を脱出したアーセナル。今節対戦するのはここまで未だ勝利がないバーンリー。前年も初勝利に時間がかかっておりフルハム、ウェストブロム、シェフィールド・ユナイテッドと共に未勝利4を結成していたが、中盤戦以降は持ち直し見事残留を果たした。
あれから1年、バーンリーの戦い方はあまり変わっていない。変わっていないということは昨シーズン、バーンリー相手に勝てなかったアーセナルは同じ失敗を繰り返す可能性があるということである。昨年の勝てなかった2回の対戦はバーンリーの持ち味をアーセナルがモロに喰らってしまった試合。というわけで試合ごとに振り返ってみよう。
1戦目 2020.12.13 @エミレーツ・スタジアム
昨シーズン、苦しんだアーセナルだったが、個人的には最も絶望していたのはこの時期だったりする。トッテナムとバーンリーのこの連戦こそ昨シーズンの最悪の思い出である。なお、次節はトッテナム戦なので、順番は違うけども、この絶望ローテに今年リベンジの機会があることになる。
昨年のこの試合の何が絶望的だったかというと、ひたすらサイドからハイクロスを上げまくっていることである。もっとも、攻撃の出口がクロスであることは悪くはない。川崎フロンターレやマンチェスター・シティなど、リーグ内でボールを持ちながら攻撃するのが得意なチームがクロスが最終目的地というのはよくある話である。
しかしながら、問題なのはクロスの質。フワッとしたクロスをFWの頭に目掛けてあげるようなボールを彼らは上げているわけではない。入り込むスペースにライナー性やグラウンダーのボールをラストパスとして送り込んでいる印象である。
そのためにはサイドからの崩しは必須。サイドを打開しPA内にクロスを送りこむパスコースとスペースがなければラストパス色の強いクロスを送ることはできない。
この日のアーセナルにはそのサイドからのクロスをあげる下準備ができなかった。目の前の相手を避けるようなハイクロスばかりをエリア内に上げまくっていた。アーセナルはただでさえタワー型のFWがいないにも関わらず、相手はバーンリーである。人に目掛けたハイクロス、すなわち狙いどころが人で届くのに時間がかかるボールへの対応にはバーンリーはめっぽう強い。
アーセナルのこの日の戦い方はもはや石の扉にピコピコハンマーで挑んでいるかのようなもの。バーンリーと戦うならば、人にめがけた所要時間がかかるボールはなるべく避けなければいけない。
第2戦 2021.3.6@ターフ・ムーア
この試合でフォーカスしたいのは失点シーンである。ジャカとレノの連携ミスで失点を招いてしまい、アーセナルは勝ち点3を得ることができなかった。
4-4-2のブロック守備というのはバーンリーのイメージにあると思うけども、実は最近は高い位置からのプレッシングもよく見る光景だったりする。まぁ、これは仕組みの工夫というよりど根性!という感じ。前節のエバートン戦では相手が3-4-3というズレを作りやすいフォーメーションで臨んでいたが、これをものともせずにバーンリーは淡々と前からプレスを当てはめていった。
昨年の時点でアーセナルはこのプレスにハマってしまったという感じである。後方にミーとターコウスキが控えている以上、FWに長いボールを当てるだけでは前進の効果を見込みにくい。前線に出すならスペースに早いボールを。そのためにはある程度、ボール保持者は余裕を持った状態にしなくてはならない。
かといってその前段階の自陣のボール回しで詰まってしまえば昨年の二の舞になる。アーセナルとしては後方のビルドアップは昨シーズンよりも向上が見込まれる部分。GKのラムズデールやCBのホワイト、さらには冨安など新加入選手がこの部分では心強い働きをしてくれることを期待したい。
狙い目は前線のスペースに一気に蹴り飛ばすよりも、中盤で繋ぎながら前進をすること。プレス時にはバーンリーは陣形をコンパクトにしようとする意図はあまり感じられないので、パスが1つ、2つ繋がればアーセナルは一気に前進するチャンスを得ることができる。
こうした、嬉しくない形で後退させられる場面においてはバーンリーの守備のブロックは脆い。人数が揃ってなかったり、個々の位置が入れ替わってしまう状況では、意外と競り合わないままフリーでヘディングを許してしまう様子も目立つ。
エバートン戦の1失点目もクロスに対して対応ができなかった場面。この時はセットプレーの流れからミーがサイドに釣り出されており、中の構え方がイレギュラーになっていた。
従って、こういう状況を生み出しやすい中盤の間延びを利用した早い攻撃をアーセナルも狙っていきたいところ。セットプレーからのセカンドチャンスも狙い目になる。気合が入っている部分を外せば、アーセナルにもチャンスは巡ってくるだろう。
バーンリーの攻撃で気をつけなくてはいけないのは当然ロングボール。特に、ホワイトを狙い撃ちしてくるであろうウッドには警戒したい。ウッドは腕の力が強く、1対1だとスペースに出されたボールへの並走が強い。彼よりもスピードがあるCBでもこの競り合いを制するには苦労する。場合によっては冨安もフォローも噛ませながら挟んで対応はしたい。
しかし、冨安はウッドばかりに注意を向けるわけにはいかない。バーンリーのPA内のクロスの供給役は左SHのマクニール。LSBのオーバーラップを利用しつつ、中にカットインしながらGKに向かうクロスをあげる頻度が高い。冨安は前節素晴らしいパフォーマンスだったが、CHのロコンガやWGのペペとの連携で守り切るという場面はあまりなかった。マクニールを巡っての守り方はこうしたアーセナルの右サイドの守備の連携も問われる部分になるだろう。
ノースロンドンダービーに向けて勢いをつけるべき一戦。アーセナルは連勝を飾ることができるだろうか。