同点の危機を乗り越えてロイスがトドメの一撃を刺す
1st legは1-1のドロー。舞台をドルトムントに移してのリターンレグは勝った方が突破というシンプルなシチュエーションである。
序盤から明らかに主導権を握ったのはドルトムント。即時奪回から縦に早く攻めるスタートを決めると、PSVのハイプレスを逆にいなすことで前進にも成功。前線につける縦パスと左右に散らしての後方からの組み立てのコンボは非常に見事。PSVを圧倒した入りだったと表現して差し支えない。
その勢いのまま先制したのはドルトムント。PSVのハイプレスを掻い潜って先制点に漕ぎ着ける。見事だったのはサンチョ。右サイドに顔を出して縦パスを引き出して起点としての役割を果たしつつ、ゴール前に顔を出してフィニッシャーとしての貢献も果たす。
ハイプレスに失敗したPSVは前進のきっかけを掴むことができず。逆にドルトムントがハイプレスで押し込む形を作っていく。ワイドに押し込む役割と縦パスのレシーバーとして徐々に右サイドのマレンが存在感を増していく。
PSVは30分を過ぎるとバカヨコにボールを渡して少しずつ仕掛けることができるように。ハイプレスからもフンメルスの周辺からの供給を狙い撃ちすることで手応えが出てくる。ただ、アタッキングサードの仕掛けは奥に入り込むことができずミドルかハイクロスに終始。これではドルトムントの牙城を切り崩すのは難しそうであった。
後半、ドルトムントはミドルブロックに構えるスタート。PSVが保持の時間を増やす構えとなった。左のワイドにロサーノを入れるというハーフタイムの交代はPSVをそれなりに助けたように思う。左サイドの攻めの起点ができたし、前半には見られなかったデストのオーバーラップといった厚みのある攻撃もできるようになっていた。
内側に入る形でポジションを変えたティルマンも躍動。デ・ヨングとの距離の近いパス交換から中央の崩しのルートも手にした感があった。インサイドでポイントを作れるPSVはサイドアタッカーがより深い位置から侵入していけるようになる。
ドルトムントはフュルクルクをはじめとした前線のキープからカウンターのチャンスを伺うが、機会的にはやや劣勢。それでもワンチャンスからネットを揺らすが、これはオフサイドで取り消しになる。
ならばと前線をリフレッシュして再びハイプレスに出ていくが、これは空回り。サイドの守備が後手にまわり、逆にPSVに攻める隙を与えてしまう。
終盤はデ・ヨングの決定機などゴールを仕留めるチャンスがあったPSV。だが、ゴールを決めたのはこのピンチを切り抜けたドルトムント。ロイスの一撃で綺麗にトドメを刺し、ベスト8進出を決めた。
ひとこと
相手を受けに回らせれば怖いチームであることを証明したPSV。立ち上がりの猛攻を0で凌いでいればあるいはといった戦いぶりだった。
試合結果
2024.3.13
UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 2nd leg
ドルトムント 2-0 PSVアイントホーフェン
BVBシュタディオン・ドルトムント
【得点者】
BVB:3′ サンチョ, 90+5′ ロイス
主審:ダニエレ・オルサト