スタメンはこちら。
【前半】
ハイライト短いな!
立ち上がり、ボールを保持するのはバルセロナ。中盤ダイヤモンドの4-4-2でスタート。ボール非保持の時も大まかな形は変わらず。ビダルはメッシの分まで走り回っていたけど。対するアトレティコは4-4-2で迎え撃つ。久しぶりにまじまじと見たけど本当にきれい。連動した4-4-2プレスって見ているだけできれいって思うんだけど、このアトレティコは実にきれいなブロックを形成していた。
バルセロナはサイドからの前進を狙っていく。アトレティコは基本的にはサイドに展開されたら、SHが迎撃する。間に合わない場合はSBが出ていってバルセロナにやり直しを強いる。バルセロナはSBとIHが連携してギャップを作ろうとしていた。特にセルジ・ロベルトはポジショニングを内外に工夫して取ることでレマルを釣っていたため、時たまバルセロナはここをきっかけにある程度まで前進することはできていた。しかし、シュートに至るシーンは皆無といっていい。スアレスとメッシへの楔はほぼ入れることは不可能で、彼らがボールを受けられたのはロングカウンターのケースがほとんど。シュートまで至るシーンは皆無といってよく、CKの時に見られたサインプレーが唯一の可能性を感じさせるシーンといってよかった。
アトレティコのブロックの中で印象的だったのは2トップの貢献度の高さ。コスタはスイッチ役としてチームのプレスを主導していたし、グリーズマンは時に中盤まで下がってブロック守備に参加した。なにより、バルセロナがサリーを始めたり、観音開きを試したりなどをして最終ラインの枚数を変化させても落ち着いて対応していたのが印象的だった。たまにサイドを破られて、裏にボールが出そうになってもCBコンビが完封。バルセロナにほとんどチャンスを与えず。ただし、アトレティコもロングカウンターからチャンスを想像できなかったのはバルセロナと同じ。バルセロナはカウンター時の戻りが早く、さっさと4-4ブロックを組んでた。前節大量失点しているチームとはとても思えなかった。
というわけで両チームじりじりとした前半に。チャンスは双方のチームともなく、GKの出番はほぼなかった。WOWOWで見てたんだけど、シュート未遂のシーン2つで終わってた。マジかよ。いつもそうなのか。それともこの試合があまりにもなのか。
凪の中で時折波紋が現れるような展開の試合。前半最後の最後で負傷したセルジ・ロベルトの交代はバルセロナ側にとって最も大きい波紋だったかもしれない。ワンダ・メトロポリターノが緊張感に包まれた前半45分だった。前半はスコアレスで折り返す。
【後半】
スライドが遅れだすアトレティコ
負傷したセルジ・ロベルトに代えてラフィーニャを投入したバルセロナ。ラフィーニャは左サイドに位置することが多かった。攻撃時は4-3-3のウイングで、守備時は4-4-2の左サイドハーフっぽく振舞っていた。ビダルはその分中央やや右寄りで、前半よりも位置を下げてプレーしていた。
後半序盤はややアトレティコの中盤のプレスが後手に回るシーンが増えた。というか若干バルセロナがギアを上げたと表現する方が適切かもしれない。特にレマルのところは若干対応が遅れてきて、バルセロナはそこから侵入できるシーンが徐々に増えていく。バルセロナもしかしたら左からラフィーニャとアルバで持ち上がりたかったのかもしれないけど。こっちのサイドはサウールがめっちゃ頑張っていたし、油断してたらグリーズマンもプレスバックしてくるしで、思ったほどこのサイドからは攻められなかったんじゃないかなと類推。しかしながら押し下げられたり、多少陣形を崩されても最後PA内で最終ラインがなんとかしちゃうのがアトレティコ。ゴディンいないんじゃねーのかよ。自陣に下げられた分、カウンターの破壊力は前半より落ちてきたけども。
互いに理屈で崩し切るのはしんどい。そういう試合を動かすのはスーパーゴールかセットプレーであることが多い。この試合では後者だった。この日最初のCKを点に結び付けたのはアトレティコ。ニアに人を走らせて、ファーのコスタでズトン。見事にデザインされたセットプレー。マークが間に合ったとしても、コスタのマークがラフィーニャだと厳しかったかもしれない。
ビハインドになったバルセロナ。追いかけるべくデンベレ、マルコムというアタッカーを続々投入。多分これで実質4-2-4みたいになった。ブスケッツはそんなに行動範囲広くないから、ラフィーニャは超がんばれ!って感じのフォーメーションだ。そんな中で交代選手が結果を出したバルセロナ。最後に大仕事をしたのはウスマン・デンベレだ。バルセロナとしては左サイドからのサイドチェンジが起点。中央でフリーになっているメッシをアルバはしっかり見ていた。アトレティコのスライドは間に合わず、デンベレは右サイドで時間とスペースを確保した状態だった。
試合はこのまま1-1で終了した。
まとめ
特に前半は糸を引くような4-4-2を見せたアトレティコ。シメオネ歴が長い選手たちはさすがによく鍛えられている。サウールやグリーズマンはさすがのインテンシティ。こんなによく組織できているチームならたとえ10人だろうと得点を取るのは難しいだろう(4月を思い出す遠い目)。
レマルはまだ若干準備中!という風情だったが、アリアスやロドリゴはあんまり気になるシーンは多くなかった。ロドリゴを見ていると、ガビの退団を素早く新戦力で手当てできているのかなと思った。少し後半は甘くなってしまったけども。中盤より前はよくプレスが鍛えられているし、多少バランスを崩されても最後の最後でなんとかしちゃえるのは大きい。基本はもっとラインを下げずにミドルプレスで戦うのだろうか。バルセロナ戦以外の試合も見たくなったチームであった。
前線に大駒が2枚いるバルセロナ。ラキティッチやコウチーニョのような水を運べそうな人材がいない中で、セルジ・ロベルトの負傷交代は頭痛いどころの話じゃねーよって感じだっただろう。仮にセルジ・ロベルトの交代がなかったら、バルベルデがどういう指針で後半に入っていたかは気になるところ。4-3-3⇔4-4-2変形っぽくしてビダルの位置を下げたことと、セルジ・ロベルトの負傷交代は因果があるのだろうか。
点としてのレビューが難しい試合だったのかなというのが正直な感想。ジリジリとしている時間もあって。どこまで思い通りに行っているのか計りかねるシーンが多々。両チームとも普段追いかけてないので、手探りの観戦記みたいになってしまってごめんなさい。普段追いかけてる人のこの試合の感想が聞きたい!というのと、もう少しこの2チームのほかの試合を見ないと何とも言えん!と感じた試合だった。
試合結果
リーガエスパニョーラ 第13節
アトレティコ・マドリー1-1バルセロナ
ワンダ・メトロポリターノ
【得点者】
ATL: 77′ コスタ
BAR: 90′ デンベレ
主審:ヘスス・ヒル・マンサーノ