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「Catch up UEFA Champions League」~2022.11.2 UEFAチャンピオンズリーグ グループE 第6節 チェルシー×ディナモ・ザグレブ~

■殴り合いはねじ伏せての逃げ切り

 序盤はディナモ・ザグレブの守備網に苦しんでいたチェルシー。中央を固めてきた5-3-2ブロックとチェルシーの4-4-2ダイヤモンドはどちらも中盤にやたらと人が多い陣形。チェルシーは中盤の網に引っかかってしまい、前進に苦労する。

 一方のディナモ・ザグレブは中央に集中しやすいチェルシーの守備陣形の特性をよく理解していた。サイドからボールを運ぶ意識が強かったザグレブは慎重にボールを敵陣に運ぶと、サイドチェンジで受けた右サイドからのクロスをペトコビッチが決めて先制する。

 チェルシーの保持の中で一番有効だった前進の手段はIHを壁にして、アンカーのジョルジーニョをフリーにする形。ボールを受ける前の段階で一瞬で縦パスを入れるコースを把握できるマエストロにボール回しでお膳立てができれば、チェルシーは一気に前進が見込める。

 同点弾の場面もジョルジーニョに前を向いてもらう形だった。ジョルジーニョからの縦パスに反応したオーバメヤンがフリックでインサイドにボールを落とす。ここに走り込んだスターリングが先制点をゲット。限られたルートながら見事に守備陣形を打開して見せる。

 右サイドに相手を寄せながら逆サイドに展開し、余った1枚を活用しよう!という方針もこれまでと同じのポッター。逆転弾は右サイドを活用したボール運びから。右に流れるハフェルツを使い、右サイドからボールを運ぶとマイナスの折り返しを受けてシュートを決めたのはデビュー戦となったザカリア。ようやくホームでご挨拶できた新戦力のゴールでディナモ・ザグレブを突き放す。

 試合を動かさなくてはいけないザグレブ。ビハインドになっても反撃の手立ては十分。特に目立ったのはIHのイヴァンシッツとリュビチッチ。特にリュビチッチは左サイドの低い位置に降りてボールを受けると、ここからボールを運びながら前進。チェルシーの中盤はやたらとドリブラーに弱いので、加速した状態であれば、敵陣への侵入の武器には十分なる。

 というわけでチェルシーは時間経過とともに4-4-2ベースの守備に切り替え。ディナモ・ザグレブのIHが降りるサイドの高い位置に人を置いて、ドリブルの始点を食い止める守り方に切り替える。起点を封じられた格好ではあったザグレブだが、リュビチッチを起点として攻撃以外にもチルウェル周辺の守備など狙い目は割とはっきりしていたので、後半もチャンスは作れていた。

 それでも追いつけないザグレブは4バックに切り替え。ただ、ガッツリ組み合う様相が強くなってしまうと、徐々に地力の差がピッチの上で広がることになる。4バックのザグレブに対してチェルシーは大外とハーフスペースの関係性から崩していくのが上手。終盤はチェルシーが攻める機会が再び増えることになった。ギャラガーが仕上げられれば、試合は主審がホイッスルを吹く前に決着がついていたはずだ。

 わずかな隙間から逆転のきっかけを掴んだチェルシー。ザグレブが攻勢に出てからのゲームコントロールはほぼパーフェクト。CL最終節を勝利で飾ることとなった。

試合結果
2022.11.2
UEFAチャンピオンズリーグ
Group E 第6節
チェルシー 3-0 ディナモ・ザグレブ
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:18‘ スターリング, 30′ ザカリア
DNZ:7′ ペトコヴィッチ
主審: ダニー・マッケリー

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