サイドの抉り合いを経ての痛み分け
高い位置からプレスをかける立ち上がりとなったのはウェストハム。ややメンバーを代えた中盤で前からのプレッシングを積極的に行っていく。
アストンビラは高いラインを保つウェストハムの中盤の背後を狙っていく。ワトキンスやデュランといった起点となる選手に縦パスを入れようと左右に動かしながら縦パスのルートを探す。しかしながら、ウェストハムのハイプレスが序盤は優勢。高い位置からのショートカウンターでアストンビラのゴールに迫る。
10分が過ぎたところから少しずつ形勢は変化。パウ・トーレスを先導役として、縦パスのコースが見つかるようになり、ウェストハムのプレスのラインをどんどん押し下げていく。
ただ、押し込まれてもこの試合のウェストハムは反撃の手段を持っていた。ボーウェン、クドゥスといったWGからSBの背後を取る形から陣地回復に成功。サイド攻撃から押し返していく。先制ゴールはシンプルなクロスをダイナミックにネットに叩き込んだアントニオ。半年以上空いたリーグ戦のゴールをついに決める。
それ以降も保持ベースで解決策を探るアストンビラ。だが、ウェストハムもサイドから押し下げる形とGK付近にボールを集めるセットプレーからチャンスを作っていく。前半は1-0のスコアを維持したままでハーフタイムを迎える。
迎えた後半、先に攻め手を見つけたのはウェストハム。サイドを抉るようなWGの縦方向の突破からセットプレーを奪うと、前半から行っていたGKに詰めるCKからネットを揺らす。だが、これはハンドの判定。リードを広げることができない。
優勢だったウェストハムに対して、アストンビラは押し込みながらも苦戦。サイドの背後を取られるカウンターに苦しむ展開となる。左サイドの縦のユニットを入れ替えもしたが、中心になったのは右サイド。ベイリーとキャッシュというコンビに加えて、HTに投入されたディアビもここに絡み、打開を狙う。
事態が好転しつつあったのは縦方向への突破からの鋭いクロスを使うようになってから。追い越すキャッシュはもちろん、ベイリーやディアビも縦に抜ける動きを行うことで徐々にウェストハムのサイドを破ることができるように。同点弾に飛び込んだのは左のSHのザニオーロ。右で壊すという設計に忠実にボックス内で仕事を果たした。
終盤はカウンターからチャンスを迎えたウェストハム。ウォード=プラウズは決定機を仕留めることができず。さらには最終盤に強引に押し込んだソーチェクも再びハンドでゴールは認められず。
後半は主導権が目まぐるしく入れ替わる展開となったこの試合。最終的には引き分けで勝ち点1を分け合う結果となった。
ひとこと
サイドを縦に進むことのしばき合いが続いた後半だった「。
試合結果
2024.3.17
プレミアリーグ 第29節
ウェストハム 1-1 アストンビラ
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:29′ アントニオ
AVL:79′ ザニオーロ
主審:ジャレット・ジレット